森下洋子、新『コッペリア』で「幸せ」を届ける 舞踊歴75年のバレリーナが込める復興と希望のメッセージ
松山バレエ団は、2026年5月に東京で団長の森下洋子が主役を踊る「新『コッペリア』」を上演する。記者会見に臨んだ森下は、「生きることの素晴らしさをお伝えしたい」と意気込みを語り、作品に込めた思いを明かした。
東日本大震災の鎮魂と復興の祈りを込めた改訂版
2012年に初演された「新『コッペリア』」は、コミカルな古典バレエを、森下の夫で団総代表の清水哲太郎が改訂。東日本大震災の犠牲者の鎮魂と被災地の復興の祈りを込めた作品として生まれ変わった。
物語は、大災害に見舞われた町を舞台に、最愛の娘コッペリアを失った老学者コッペリウスが、彼女を慕うスワニルダ(森下洋子)やフランツら若者たちとの交流を通じて癒やされ、人々との絆を取り戻していく希望に満ちた内容だ。
被災地での公演経験が役作りに深みを与える
森下は、「スワニルダの明るさや強さ、温かさを大切にしたい」と強調。松山バレエ団は2014年、宮城県石巻市の避難所として使用されていた体育館で公演を行い、被災者との交流を深めた。
その際、被災者から握られた手から伝わってきたたくましさに「逆に励まされた」という経験が、森下の役の表現に深みを与えた。被災地の状況は変化したが、森下は「世界中で戦争が起き、痛ましい状況は今もある。皆さんに幸せな気持ちになっていただきたいという思いで踊りたい」と力を込める。
舞踊歴75年、踊り続けることが生きることと同じ
森下洋子は今年、舞踊歴75年という節目を迎える。踊り続けることについて、「生きること、呼吸することと同じ」と語り、体の変化は「当然」と受け止めている。風邪やけがの予防には細心の注意を払い、日々のレッスンを積み重ねている。
「今日、明日とレッスンを積み重ね、気づいたら75年に。あとどれくらい、ということは考えたことがない。舞台に立ち続けていること自体、本当に幸せな人生だなと思います」とほほえんだ。
公演スケジュールと詳細
「新『コッペリア』」の公演は以下の通り。5月3日から5日まで東京・Bunkamuraオーチャードホールで開催され、5日は子ども向け公演のため森下の出演はない。また、5月23日には東京・北とぴあさくらホールで公演が行われ、森下は一部のみ出演する。
この公演は、古典バレエの魅力を現代的なテーマと融合させ、観客に希望と癒やしを届けることを目指している。森下洋子の長年の経験と深い思いが詰まった舞台は、多くの人々の心に響くことだろう。



