大村湾の天然ナマコ不漁深刻、昨年度2トンで過去最低更新 海水温上昇で酸欠か
大村湾ナマコ不漁、昨年度2トンで過去最低 海水温上昇で酸欠か

長崎県の大村湾で、4つの漁協が操業する天然ナマコの不漁が深刻化している。2025年度の漁獲量は約2トンと、過去最少だった2024年度の約10トンからさらに落ち込み、2023年度の30分の1以下となる見込みだ。原因は海水温の上昇による海中の酸素不足とみられ、県は調査と対策に乗り出した。

漁師も驚く深刻な不漁

「ここまでの不漁は経験したことがない。大村湾のナマコは、死滅してしまったのではないか」。大村湾漁協の理事を務める山田大介さん(39)は、漁船が並ぶ港を眺めて肩を落とした。同漁協には長崎市や時津町など大村湾沿岸の7市町の漁師が所属している。

大村湾のナマコは柔らかい身が特徴で、県内では正月料理などとして食べる「冬の味覚」として親しまれてきた。同漁協でも、11月から翌年2月の漁期には組合員の半数にあたる約250人が底引き網などでナマコ漁を行っており、2023年度の漁獲量は約17トンに上った。

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しかし、2024年度には前年の10分の1以下の約1.5トンに激減。さらに2025年度は約300キログラムまで減り、市場への出荷ができなくなった。山田さんは「自然相手なのでどうすることもできないが、消費者に届けられないのが心苦しい。回復を願うしかない」と話す。

海水温上昇が酸素不足を招く

県によると、大村湾でのナマコの漁獲量は平年40~90トン程度で、台風などの影響で不漁になった年でも14トンほどだった。しかし、2024年度は約10トンに急減し、2025年度はさらに落ち込んだ。

県が湾内の20地点で行った調査では、表層の平均水温の最高値が30度程度まで上昇していたことが判明。表面の高温になった水と海底の冷たい水が温度差で混ざりにくくなり、十分な酸素が行き渡らなくなったと考えられる。湾の出入り口が狭く、外海の影響を受けにくい地形も酸素不足の一因となっている。

県の対策と今後の見通し

県は2026年も水温の調査を続ける予定だが、酸素不足に対する抜本的な解決方法はなく、対応に苦慮している。県漁業振興課の担当者は「自治体からも原因究明の要望が寄せられており、引き続き調査を継続する。ナマコが生きる環境の整備についても、受精卵の放流などできる限りの支援をしていきたい」と話している。

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