小田原市元部長に執行猶予判決 下水道工事巡る収賄事件で横浜地裁
小田原市元部長に猶予判決 下水道工事収賄事件

小田原市元環境部長に執行猶予判決 下水道工事巡る収賄事件

横浜地裁は2026年3月17日、神奈川県小田原市の下水道工事などを巡る贈収賄事件で、収賄罪に問われた市の元環境部長・樋口肇被告(59)に対し、懲役1年執行猶予3年、追徴金20万円の判決を言い渡した。菅野裕希裁判官が主文を宣告した。

公務員の公正と信頼を害した行為

判決によれば、被告は2024年8月、住宅新築工事現場近くの下水道整備を早めるよう担当者に働きかけた見返りとして、工事を請け負った業者の元代表取締役と元営業部長から、市役所内の環境部長室で商品券10万円を受け取った。さらに2025年2月には、元代表取締役の親族が購入した土地近くのゴミ集積場移設を促した対価として、同じ2人から商品券10万円を受領していた。

菅野裁判官は判決理由で、「公務員の職務の公正とそれに対する社会の信頼が害された」と厳しく指摘。被告に賄賂性の認識があったと認定し、「公務員倫理に関して部下を指導監督すべき立場にありながら、贈収賄に関する認識は甘すぎた」と批判した。

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刑事責任は軽視できずも執行猶予を選択

裁判官は、賄賂の額自体は高額とは言えないものの、「刑事責任は軽視できない」と述べ、事件の重大性を認めた。その一方で、被告が事実を認めて反省しており、公務員を辞職する意向を示していることなどを考慮し、執行猶予を選択したと説明した。

検察側の求刑は懲役1年と追徴金20万円で、判決はこの求刑を踏まえた形となった。追徴金20万円は、受け取った商品券の総額20万円に相当する。

公務員倫理と社会的影響への懸念

この判決は、地方自治体の公務員による収賄事件として、職務の公正性と社会の信頼を損なう行為に対する司法の厳しい姿勢を示している。被告が環境部長という管理職の立場にあったことから、公務員倫理の徹底と監督責任の重要性が改めて浮き彫りになった。

小田原市では、下水道工事やゴミ処理施設の移設など、公共事業を巡る適正な手続きと透明性が課題として残る。今回の事件は、公務員の倫理綱領遵守と内部統制の強化が求められる事例として、地域行政に一石を投じる結果となった。

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