愛知製鋼元専務の賠償請求が棄却 無罪確定も告訴は「相当」と判断
トヨタ自動車グループの愛知製鋼の技術情報を漏らした疑いで起訴され、無罪が確定した元専務の本蔵義信さん(75)が、不当な告訴により損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁は26日、請求を棄却する判決を言い渡しました。
約120億円の賠償請求を却下
本蔵さんは、愛知製鋼などに対し、自身が設立した会社で得られるはずだった利益を失ったとして、約120億円の損害賠償を請求していました。しかし、名古屋地裁の貝阿弥亮裁判長は、この請求を退ける決定を下しました。
判決理由の詳細は明らかにされていませんが、本蔵さんの代理人弁護士によると、裁判所は愛知製鋼側に「原告が営業秘密を開示したと疑うに足りる相当な事情があった」と認定したとされています。
無罪確定した事件の経緯
本蔵さんは、愛知製鋼在籍中の平成25年4月に、他社との打ち合わせ時に独自技術をホワイトボードに示すなどし、営業秘密を漏らしたとして不正競争防止法違反罪で起訴されました。
名古屋地裁は令和4年3月、「情報は一般化されていて営業秘密とはいえない」として無罪を言い渡し、検察側が控訴しなかったため、無罪が確定していました。
原告側の反応と今後の展開
本蔵さんは判決後の記者会見で、「納得いかない」と述べ、判決に対する不満を表明しました。この訴訟は、無罪が確定した後も、告訴行為そのものの是非を争う形で続けられていました。
今回の判決により、愛知製鋼側の告訴行為は適切だったと判断されたことになりますが、本蔵さん側が控訴するかどうかは現時点で明らかになっていません。
この事件は、企業の営業秘密保護と従業員の行動の境界線をめぐる重要な判例として、今後の類似ケースに影響を与える可能性が指摘されています。



