ケアトランポリン汚職事件で前県議が無罪主張、初公判で「一般的な政治献金」と反論
福岡県が推進する一人用小型トランポリン「ケアトランポリン」の普及事業を巡る汚職事件において、収賄罪と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益仮装)の罪に問われた前県議の片岡誠二被告(59歳)の初公判が、2月19日に福岡地方裁判所小倉支部(三芳純平裁判長)で開かれました。被告側は、起訴内容を全面的に否定し、無罪を主張しています。
検察側の主張:約5500万円の賄賂受け取りを指摘
検察側は冒頭陳述で、片岡被告が2017年頃に知り合った北九州市の健康器具リース販売会社の男性代表(67歳、贈賄罪で有罪確定)から、ケアトランポリンの普及を依頼されたと説明しました。さらに、2019年には、予算獲得時に予算額の15%相当を支払うことを男性代表から提案され、了承したと主張しています。
具体的には、2022年度と2023年度の同事業に関する予算案の可決などで有利な取り計らいをした見返りとして、男性代表から合計約5500万円を受け取ったとされています。この金額は、被告側企業への業務委託費として仮装されていたと検察側は指摘しています。また、2019年度から2023年度にかけては、起訴事実分も含めて総額約1億1200万円が振り込まれたと主張しました。
弁護側の反論:継続的な政治献金であり賄賕ではない
これに対して弁護側は、男性代表からの献金は2017年から継続して行われており、事業開始前から続く「一般的な政治献金」だったと反論しました。被告側は、予算確保などを期待したものではなく、純粋な支援として受け取っていたと主張しています。
片岡被告自身も法廷で、「献金額が政治資金規正法の上限を超えていたため、業務委託費のように会計処理したことは反省している。しかし、それは賄賂ではなく、あくまで政治献金だった」と述べ、無罪を訴えました。弁護側は、この会計処理の誤りを認めつつも、犯罪性はないと強調しています。
事件の背景と今後の展開
ケアトランポリンは、健康増進を目的とした一人用の小型トランポリンで、福岡県がその普及事業を推進してきました。この事件は、公共事業を巡る癒着や不正な資金の流れが疑われるケースとして、地域社会に大きな衝撃を与えています。
初公判では、検察側と弁護側の主張が大きく対立し、今後の審理では以下の点が焦点となりそうです:
- 献金の性質が賄賂か政治献金かの判断
- 会計処理の適法性と意図
- 事業との関連性の有無
裁判は継続され、次回の公判でさらに詳細な証拠や証言が取り上げられる見込みです。この事件の行方は、政治資金の在り方や地方自治体の事業運営に対する信頼性にも影響を及ぼす可能性があります。



