保護司殺害事件で初公判、被告が「守護神様の声」と供述
大津市で発生した保護司殺害事件の裁判員裁判の初公判が、2026年2月17日午前、大津地方裁判所で開かれた。殺人罪などに問われている無職の飯塚紘平被告(36歳)は、起訴事実を認め、「守護神様の声に従ってやりました」と述べた。一方、弁護側は、被告が犯行時に刑事責任能力がなかったか、刑が軽減される心神耗弱状態だったと主張した。
事件の概要と被告の経歴
起訴状によると、飯塚被告は保護観察中の2024年5月、担当保護司だった新庄博志さん(当時60歳)の自宅で面接中、ナイフとおのを用いて新庄さんの胸や首などを複数回突き刺し、切りつけて殺害したとされる。被告は2019年6月に強盗事件で懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の有罪判決を受け、同年7月から新庄さんが保護司として支援を続けていた。
検察側と弁護側の主張
検察側は冒頭陳述で、飯塚被告が仕事が長続きせず職を転々とし、政府に対する不満を募らせていたと指摘。新庄さんを殺害することで保護観察制度に打撃を与え、政府に報復したいと考えていたと説明し、完全な刑事責任能力を主張した。
弁護側は、殺害行為の事実関係については争わないとした上で、幻聴の影響により殺人を思いとどまる能力が喪失していたと訴えた。心神耗弱状態を理由に、責任能力の欠如または刑の軽減を求める姿勢を示した。
今後の公判日程と改正保護司法
公判は2月18日と19日に被告人質問などが行われ、2月24日に結審予定。判決は3月2日に言い渡される見込みだ。この事件を契機に、昨年12月に改正保護司法が成立しており、対象者との面接場所を自宅以外に確保することなどが国の責務として定められた。改正法の施行により、保護司の安全確保が強化されることが期待されている。
この事件は、保護観察制度の課題と支援体制の重要性を浮き彫りにし、社会全体で再考を促す事例となっている。公判の行方に注目が集まるとともに、改正法の効果的な運用が求められる。