飯塚事件再審請求棄却、弁護団「審理尽くさず」と批判 福岡高裁の決定に憤り
飯塚事件再審棄却、弁護団「審理不十分」と批判

飯塚事件第2次再審請求、福岡高裁が棄却決定 弁護団は「お茶を濁した審理」と強く反発

福岡県飯塚市で発生した女児2人殺害事件、通称「飯塚事件」をめぐり、元死刑囚・久間三千年氏の妻側が提起した第2次再審請求について、福岡高等裁判所は2026年2月16日、即時抗告を棄却する決定を下しました。この決定を受け、弁護団は「審理を尽くしていない」と強い憤りを表明し、司法手続きの不備を厳しく批判しています。

裁判所前で抗議の声 弁護団代表が謝罪の姿勢

決定が下された16日午後2時過ぎ、福岡高裁から出てきた徳田靖之弁護団共同代表は、待ち構えていた支援者らに対し、手を合わせて謝罪するしぐさを見せました。支援者たちは裁判所前で「不当決定を許さない」などと声を上げ、決定への抗議を続けました。

弁護団は今回の再審請求において、以下の点を新証拠として主張していました:

  • 2人の目撃証言を新たに提出
  • これらの証言に関する初期供述記録の存在を指摘
  • 捜査資料の開示を強く要求

初期供述記録の重要性と捜査の在り方への疑問

弁護団は、記憶の変遷を論じる上で初期供述の記録を確認することが不可欠だと主張しています。事件直後から、元死刑囚が犯人であるという先入観に基づいた誘導や工作があった可能性を指摘し、初期供述がその実態を裏付ける重要な証拠となると訴えていました。

しかし、福岡高裁は捜査記録の一覧表などを詳細に確認した結果、弁護団が求める資料は存在しないと判断し、協議を終結させました。この判断に対し、弁護団側は「審理が表面的で、実質的な検証がなされていない」と反論しています。

34年前の事件をめぐる長い闘い

飯塚事件は34年前に発生し、久間元死刑囚は一貫して無実を主張してきました。死刑確定からわずか2年で執行が行われた経緯があり、法制審議会での議論が進む中で、再審請求の局面が変化する可能性も指摘されています。

決定後の会見で、弁護団は今回の棄却決定が「司法の審理として不十分であり、真相解明への道を閉ざすもの」だと強調しました。今後も再審請求を続ける方針を示し、事件の全容解明に向けた活動を継続していく構えです。

この事件をめぐっては、証拠の扱いや捜査過程の透明性が改めて問われる形となり、司法制度の在り方自体にも大きな注目が集まっています。弁護団と支援者たちは、不当な決定に対する抗議活動を強化し、世論の関心を喚起していく方針を示しています。