再審法案の証拠開示に「抜け穴」、袴田さんの重要証拠早期開示に疑問
再審法案の証拠開示に「抜け穴」、袴田さん証拠に疑問

刑事裁判をやり直す再審制度の見直しに向けた刑事訴訟法改正案の審議が29日、衆院法務委員会で行われた。再審開始決定に対する検察の不服申し立て(抗告)の規定に続き、証拠開示のルールをめぐっても「抜け穴」が明らかになった。

証拠開示の新ルールと懸念点

政府の法案では、有罪が確定した裁判で提出されなかった証拠を検察に開示させるためのルールが新設された。裁判所が「再審請求理由に関連する証拠」について検察に提出命令を出す仕組みだが、関連性を狭く捉えて開示範囲が限定され、無罪につながる証拠が埋もれる恐れが指摘されている。

袴田さんのケースで疑問

高市早苗首相は26日の衆院本会議で、関連性の範囲について「裁判所による再審請求理由についての判断に資するという意味で、相当の広がりを持つ」と述べた。しかし、この日の委員会で法務省の刑事局長は、新制度のもとで、袴田巌さんの再審無罪の決め手となった「5点の衣類のカラー写真」が開示されるか問われ、次のような趣旨の答弁をした。

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弁護側が、犯行時の着衣と認める証拠であるため、再審請求理由に関連するとは言えず、開示されない可能性があるとの見解を示した。これにより、新制度のもとでも重要な証拠が早期に開示されない懸念が強まった。

審議の背景

再審法案は、長年指摘されてきた再審制度の問題点を改善するために提出された。しかし、検察抗告の規定に続き、証拠開示のルールにも「抜け穴」があることが判明し、野党からは「これでは実効性がない」との批判が上がっている。

法務省は「制度の趣旨を踏まえ、適切に運用する」と説明するが、袴田さんの事例を踏まえると、無実の人が救済されない可能性も否定できない。今後の審議では、証拠開示の範囲をより明確にすることが求められる。

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