広島市の平和記念公園にある原爆死没者慰霊碑の前で20日、34万9262人の名前が記された原爆死没者名簿の「風通し」が行われた。名簿の記帳に当たってきた被爆者たちの高齢化を背景に、市が初めて公募した記帳者12人も研修の一環で見学した。
風通しの恒例行事
名簿は昨年8月6日に新たに4943人の名が加えられ、計131冊に上る。風通しは梅雨入り前に湿気を取り除き、傷みがないかを確認する恒例の行事で、この日は市職員23人が原爆投下時刻の午前8時15分に黙禱。慰霊碑の地下にある石室から取り出された名簿を1ページずつ丁寧にめくり、風に当てた。
公募記帳者の参加
被爆者全体の平均年齢(2025年3月末時点)が86歳を超える中、広島市はこれまで被爆者が務めてきた名簿の記帳者を今年初めて公募。市内在住者らの中から毛筆の実技試験や面接を経て選ばれた10代~70代の14人がこの夏、元々の記帳者である被爆者2人と共に死没者の名を記すことになっている。
公募記帳者の一人は「被爆者の思いを引き継ぎ、平和への願いを名簿に刻みたい」と語った。市は今後も被爆者の高齢化に対応しながら、記帳者の継承を進める方針。



