ハンタウイルス媒介のネズミ、渋谷で対策強化 ごみ管理が鍵
ハンタウイルス媒介のネズミ、渋谷で対策強化

クルーズ船内で発生したハンタウイルスの集団感染を受け、ネズミがウイルスを媒介する可能性が注目されている。東京都内の繁華街では、ネズミを頻繁に目撃する場所も多く、対策の必要性が改めて問われている。本記事では、渋谷区の商店街で行われているネズミ対策や、専門家の見解を詳しく紹介する。

渋谷駅前共栄会の取り組み

東京都内有数の繁華街である渋谷駅周辺では、地元の商店会「渋谷駅前共栄会」が数年前からネズミ対策に力を入れている。同会は、粘着シートによる捕獲作戦を実施し、加盟店に対してふた付きのごみ箱の利用を推奨している。区から貸与されたごみ箱には、ネズミの絵が描かれた独自デザインのステッカーが貼られ、地域ぐるみで対策を盛り上げている。実際に、飲食店脇に設置された粘着シートでは、小さなネズミ2匹が捕獲されていた。共栄会の理事である川島英明氏は、「ネズミはハンタウイルスを媒介すると言われるが、必要以上に怖がらず、数を減らすよう対策を続けたい」と語る。

ハンタウイルスの危険性

今回、クルーズ船で確認されたウイルスは「アンデス型」で、「ハンタウイルス肺症候群」を引き起こし、致死率は40~50%に達する。過去に日本でアンデス型の感染例はないが、「腎症候性出血熱」を引き起こす型のウイルスによる感染は報告されている。人から人への感染リスクは低いが、ウイルスを持ったネズミのふんや尿が乾燥してほこりとなり、それを吸入することで感染する可能性がある。国内では1960~80年代に2度の流行があり、計200人以上が感染し、死者も出ている。1984年以降、国内の患者報告はないが、主要な港湾地区の多くでハンタウイルスに感染したドブネズミの生息が確認されている。

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専門家のアドバイス

感染症に詳しい立川パークスクリニックの久住英二院長は、「都市部のネズミもウイルスを保有している可能性がある。数が増えれば接触リスクも高まるため、感染源となる動物をコントロールすることが基本だ。ネズミの駆除や、ネズミがいる可能性のある場所を掃除する際は、手袋やマスクを着用すべき」と注意を促す。

ネズミの数を抑えるには

東京都によると、2024年度のネズミ類の相談件数は7714件で、近年増加傾向にある。実際に駆除しきれないほどのネズミを増やさないためには、ごみ管理が重要だ。公益社団法人東京都ペストコントロール協会の谷川力副会長は、「ごみの量に応じてネズミの数は増える。完全にゼロにすることは不可能だが、被害が出ないレベルに抑えるのが理想だ。しかし、役所だけでは実現できない。地域の飲食店や訪れる人々、皆でごみを放置しない意識を持つことが、数を減らす鍵となる」と強調する。

ネズミ対策は、感染症予防だけでなく、街の美化や衛生面でも重要だ。渋谷区の取り組みを参考に、他の繁華街でも同様の対策が広がることが期待される。

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