47都道府県代表の高校生らが理数分野の知識と実技力を競う「科学の甲子園全国大会」がある。都道府県ごとの代表選考会を経て、今年3月に全国大会が茨城県つくば市で開催された。しかし、多くの千葉県の高校生や学校関係者らは不完全燃焼のまま一連の日程を終えた。選考会の審査方法について、出場校と運営側の間で認識に溝ができ、いまだ埋まっていないのだ。
千葉県代表選考会は昨年11月15日に千葉市の県総合教育センターで開催された。その際、運営側の県教育委員会の判断によって、事実上、競技時間が当初の規定から急きょ延長された形となり、一部の高校生や学校側が不満を抱える事態になっている。
選考会には、県内の高校・高専21校から33チームが参加した。理科、数学、情報の知識を問う「筆記競技」(180点満点)と、科学技術などを活用する「実技競技」(同)で競う大会で、最高得点のチームが、国立研究開発法人・科学技術振興機構(JST)が主催する全国大会へ出場できる。
異論が出たのは、実技競技だ。参加者によると、競技開始後に県教委の担当者が突然、制限時間を延長すると発表。当初の規定では実技競技の時間は90分だったが、約30分延長されたという。この措置について、ある出場校の教諭は「努力を踏みにじる暴挙だ」と批判する。
背景に何が?
県教委の説明では、延長の理由は「参加チームの作業進捗にばらつきがあり、公平性を確保するため」とされる。しかし、参加した高校生からは「事前に知らされていたルールが突然変わり、混乱した」「延長を前提に準備していたチームが有利になった」などの声が上がっている。
また、別の関係者は「実技競技の内容が難しく、時間内に終わらないチームが続出したため、運営側が焦って延長を決めたのではないか」と推測する。一方、県教委は「ルールの範囲内での対応であり、問題はない」としている。
全国大会への影響
この選考会で勝ち上がったチームは、今年3月の全国大会に出場したが、千葉県代表としての成績は振るわなかった。ある参加校の生徒は「選考会での混乱が尾を引いた。本来の実力を発揮できず、悔しい思いをした」と語る。
科学の甲子園は、文部科学省が推進するスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の一環として位置づけられ、理数系人材の育成を目的としている。全国大会はJSTが主催し、各都道府県の教育委員会が選考会を運営する仕組みだ。
今回の問題を受け、一部の学校からは「選考方法の透明性を高めるべきだ」「事前にルールを明確にし、変更がある場合は参加校の同意を得るべきだ」との声が上がっている。県教委は「今後、改善点を検討する」としているが、具体的な対応は示されていない。



