接見時の録音確認は違法、岡山地裁が初判断 弁護士請求は棄却
接見録音確認は違法、岡山地裁 弁護士請求は棄却

岡山刑務所(岡山市北区)で被告と接見した際に録音した内容を刑務所職員が確認したのは違法だとして、接見した弁護士が国に損害賠償を求めた訴訟の判決が岡山地裁で4月15日にあり、森実有紀裁判長は、録音内容の確認行為は刑事訴訟法に反すると認めたうえで、原告の請求を棄却した。原告側は30日、控訴しない考えを明らかにした。判決は確定する見込みである。

初の司法判断

原告側弁護団によると、弁護人が容疑者や被告と接見した際の録音内容を留置施設側が確認する行為について、裁判所が判断したのは初めてとしている。一方、法務省矯正局は控訴について、「原告の請求が棄却されているため、できない」としている。

原告は岡山弁護士会の小野智映子弁護士。判決によると、小野弁護士は2023年7月、岡山刑務所で、担当する刑事事件の被告とICレコーダーで録音しながら約1時間接見。接見後、刑務所職員が小野弁護士に録音内容を2倍速で再生させて内容を確認した。

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判決はこの確認行為について、職員が「接見そのものに立ち会ったのと実質的には同等」としたうえで、捜査機関などに接見内容を事後的にも知られない権利を保障した刑訴法の趣旨を「没却することは明らか」として違法と判断した。

国側は確認行為について、1963年と70年の矯正局長通達に基づく運用で、違法でないと主張していた。

損害賠償は退ける

一方、判決は損害賠償請求については、通達に基づいて録音内容を確認した職員は職務上の注意義務を尽くさなかったとはいえないなどとして、退けた。

弁護団「通達の廃止求めていく」

原告側は4月30日、岡山市内で記者会見を開いた。小野弁護士は判決について「刑事訴訟法、憲法の原則に反したものであるという認定は、とてもうれしく思っている」と話した。控訴しない理由について「『通達通りだから違法性はない』というのはやや違和感を感じる」としたうえで、「違法と判断した裁判例を残しておくことで後につながる」と説明した。

原告側弁護団の江田剛弁護士は、「被告は秘密だから話してくれる。捜査機関や公権力にだだ漏れになるなら心を開いてもらえない。(刑訴法が保障する)権利には究極的には冤罪を防止する機能がある」と話し、通達の廃止を強く求めていく考えを示した。

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