共同通信社は2026年4月28日、和歌山県で発生したダイビング事故に関する誤報問題を受け、同社和歌山支局長を含む職員5人を戒告とする懲戒処分を発表した。この誤報は、無関係のダイビングショップの実名を記事中に掲載したもので、同社の信頼を大きく損ねる事態となった。
誤報の経緯と影響
共同通信は3月10日、2024年に和歌山県串本町で起きた親子2人が死傷したダイビング事故を巡り、地元に実在するダイビングショップの名称を挙げた上で、男性2人が業務上過失致死傷の疑いで書類送検されたと報じた。しかし、この店舗は事故とは無関係であることが判明し、翌11日に記事を取り消し、12日には誤報であったことを伝える記事を配信する事態となった。
処分の内容
戒告処分を受けたのは、和歌山支局長、編集局ニュースセンター長、大阪支社ニュースセンター長、社会部長、社会部次長(デスク)の計5人。同社の説明によれば、社会部次長は取材を行った和歌山支局の記者に対する事実確認が不十分なまま、実名での報道を判断した。他の4人については、管理監督責任が問われた。
また、沢井俊光社長はこの処分とは別に、有田司常務理事編集局長に対して厳重に注意を行った。同社は一連の対応を通じて、再発防止に向けた姿勢を明確にした。
今後の再発防止策
春木和弘総務局長は「ダイビングショップと関係者、読者の皆さまに深くおわびします。取材においては事実確認を徹底し、再発防止に努めます」とコメントした。同社は今後、取材プロセスの見直しや確認体制の強化を図る方針で、信頼回復に全力を挙げる考えだ。
この誤報は、報道機関における事実確認の重要性を改めて浮き彫りにした。共同通信は全国の新聞社や放送局にニュースを配信する大手通信社であり、その影響力は極めて大きい。今回の処分を契機に、業界全体で正確な報道の徹底が求められる。



