2026年4月にJR広島駅前に移転・開館した広島市立中央図書館は、開館1カ月で入館者数が以前の約10倍に伸びるなど、大きな注目を集めている。しかしその一方で、視覚に不自由のある人々からは「使いづらい」という声が上がっている。その理由の一つとして、館の象徴とも言える「緑」を基調としたデザインが指摘されている。
「実に見にくい」との指摘
広島難病団体連絡協議会会長の西河内靖泰さん(72)は、図書館を見学した際に開口一番、「実に見にくい。視覚に弱さのある人が来館するという意識が抜け落ちているのではないか」と指摘した。西河内さんの視線の先には、入り口に掲げられたフロアマップがあった。緑色の背景に白い文字で書棚の位置などが表示されているが、西河内さんは「目が不自由な人にとって、ほとんど役に立たないのでは」と語る。
緑色と白色のコントラスト問題
西河内さんによると、緑色の背景に白い文字は「同化してぼやけて見える」という。特に視覚障害者にとっては、色のコントラストが不十分だと文字の判別が難しくなる。図書館側は「かわいいデザイン」を意図した可能性があるが、結果としてバリアフリーの観点から問題を抱えることになった。
開館後の反響と今後の課題
同図書館は移転により利便性が向上し、多くの利用者を集めている。しかし、すべての人が快適に利用できる施設であるためには、視覚障害者への配慮が欠かせない。図書館関係者は「今後、利用者の声を聞きながら改善策を検討したい」としている。



