成田市、開発用地4割使用不能で共生バンクに計画変更要請
成田市、開発用地4割使用不能で事業者に計画変更要請

成田市、共生バンクに計画変更要請

成田空港周辺の開発用地などへの出資を募る不動産投資商品「みんなで大家さん」を巡り、成田市が5月1日、事業者の「共生バンク」(東京都)に対し、造成工事の完了が見込めない場合、事業計画の変更または廃止を検討するよう求める通知を出したことが明らかになった。開発用地の約4割の土地で賃貸借契約が切れ、現行計画では事業継続が不可能な状況に陥っており、関係者や出資者は同社の対応を厳しく注視している。

11日に開かれた市議会6月定例会で、小泉一成市長が油田清議員(リベラル成田)の一般質問の答弁で明らかにした。

共生バンクは、成田空港近くの同市小菅の約45万6000平方メートルの土地を開発し、ショッピングモールやホテルなどを建てる巨大プロジェクト「ゲートウェイ成田」を掲げている。開発用地に出資すれば年利7%の配当が得られるとし、成田に関する商品で約1560億円、全国の土地や建物を対象にした他の商品を含めると2000億円超を集めた。しかし、昨年7月以降配当が滞り、全国の出資者から出資金の返還を求める訴訟が相次いでいる。

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開発用地の約4割が使用不能に

開発用地を巡っては、成田国際空港会社(NAA)が「工事を継続する資金力が確認できない」などとして、共生バンクと結んでいた約19万平方メートルの所有地の賃貸借契約を昨年11月末で終了した。同社は開発用地の約4割を使用できなくなり、造成工事はストップした。

同社は出資者や市に対し、資金を調達して「NAAと賃貸借の再契約を結ぶ」と説明している。これに対し、小泉市長は答弁で「グループ会社が保有する不動産を売却し、工事費に応じた資金を確保するとのことだったが報告は受けていない」とし、用地賃貸借の再契約についても「協議に進展がみられない」と述べた。

使用不能となった約4割の土地には、ホテルや産業・再生医療センターなど開発計画の主要施設が含まれている。

事業を継続するには事業計画の変更が不可欠だが、同社は11日、読売新聞の取材に対し、「通知を成田市から受領したが、計画の変更や廃止の考えはなく、現在の計画を完了させる方針に変わりはない」と回答した。

出資金返還命令判決相次ぐ

「みんなで大家さん」を巡っては、運営会社に出資金返還を命じる判決が相次いでいる。読売新聞の調べでは、大阪地裁がこれまでに、少なくとも三つの集団訴訟で出資者147人分計約8億2400万円の返還を命じた。

「大家さん」は不動産特定共同事業法(不特法)に基づく投資商品。成田空港周辺や大阪市など、各地の土地や建物を対象に出資を募って出資者と匿名組合契約を結び、賃料収入などを元に配当を支払う。しかし、配当は滞り、被害対策弁護団によると、全国の約2500人が計約230億円の出資金返還などを求めて大阪地裁に提訴した。

被告は「共生バンク」のグループ会社で、出資商品を運用する「都市綜研インベストファンド」(大阪市)。これまでの判決では、契約終了手続きが完了したり、商品の運用期間が終了したりしても出資金の返還が受けられなかった出資者の訴えが認められた。

また、12日には、共生バンク側と成田市議2人の関係会社が事業関連の契約を結んだとされる問題で、2人に説明を求めるため、「市議会議員政治倫理条例」に基づく政治倫理審査会(政倫審)が市議会で初めて開かれる。

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