なぜここに巨大ホチキス?違法建築と通報も 大阪・八尾の町工場
巨大ホチキス?違法建築と通報も 大阪・八尾の町工場

なぜここに巨大ホチキス?違法建築と通報も 大阪・八尾の町工場

大阪府八尾市跡部北の町1丁目。JR久宝寺駅から徒歩10分ほどの道路沿いを歩いていると、巨大なホチキスのような建物が目に飛び込んでくる。屋根部分は1階から2階に斜めにつながり、約30度傾いている。その先は南方向の空に向かって突き出しており、二度見、三度見してしまうほどのインパクトだ。周囲の建物と比べて存在感は抜群で、中には「違法建築では」と警察に通報する人もいるという。

町工場のユニークな挑戦

建物の前には「吉村金属工業」の看板。外からはガチャンガチャンと金属音が聞こえてくる。訪ねてみると、社長の吉村信太朗さん(77)が笑顔で迎えてくれた。「建物も傾いているし、会社の内容も傾いているので、困っています。助けてください。それがうちの売り文句なんや」

もともと大阪市内に工場があったが、この場所に新しい工場を建てたのは約25年前。金属プレスや照明器具をメインとする同社だが、吉村さんは「仕事は図面通りにしなきゃあかん。でも、自分は縛られるのがもともと好きやない。だから近大の先生に頼んで、ディズニーランドの建物のような感じにしてほしいと頼んだんや」と語る。デザインは近畿大学の教員と話し合って考案し、総工費は約5千万円かかったという。

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社長はメタルアーティスト

1階には約20種類の金属加工機械が並び、現在は吉村さんと妹の2人で作業している。最盛期には約20人の社員がいた。取引先は旧松下電工(現パナソニック)がメインで、東京ディズニーランドの照明器具も製造していた。その経験が、ディズニーのような世界観への憧れにつながった。

さらに吉村さんには「社長」のほかに、メタルアーティストという顔がある。若い頃から様々なアーティストと交流を持ち、その影響も建物のデザインに反映されている。2階にはアトリエがあり、金属を使ったアート作品が展示されている。吉村さんは「建物も作品の一部。面白いと思ってもらえればそれでいい」と話す。

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