富士山麓への廃棄物不法投棄を市民有志のパトロールで減らすことを目的に、1998年度に発足した富士宮市富士山麓環境パトロール隊が5日、解散式を行い、約30年にわたる歴史に幕を閉じた。解散の理由は、隊員の高齢化と、隊員の輩出母体である自治会の負担軽減にあるという。
発足の経緯と活動の成果
隊が発足した当時、市北部に位置する富士山麓の森林地帯では、悪質な不法投棄や大規模な産業廃棄物の野焼きが相次いで発生。これに業を煮やした市北部の7区長が連名で陳情を行い、それを契機に自治会を母体とする有志23人による隊が結成された。
その後、自治体の合併などにより活動範囲は富士山麓以外にも拡大。その結果、大型家電の放置は激減するなど、目に見える成果を挙げてきた。しかし、隊員の高齢化は避けられず、現在の隊員18人の中には80歳代のベテランも含まれている。また、自治会自体も高齢化が進み、勇退した隊員の後任を確保することが難しくなっていた。
解散式と今後の活動
別の枠組みでのパトロール活動は今後も継続される。市役所で行われた解散式には隊員13人が出席。須藤秀忠市長は「富士山の世界文化遺産登録も、皆さんの活動のおかげ」と述べ、隊員の労をねぎらった。
隊員歴11年という鈴木昌知さん(84)は、「市の担当者とともに富士山麓の悪路を駆け回った。冬の雪の日はつらかったが、不法投棄は減って本当にきれいになったと思う」と振り返った。



