環境省は5日に公表した2026年版「環境・循環型社会・生物多様性白書(環境白書)」に、公害健康被害補償法に基づく水俣病の認定患者数や、二度の政治解決による救済者をまとめた表を新たに追加した。これまで認定患者数は存命者のみを記載していたが、被害者団体から全体像が伝わらないとの要望を受け、亡くなった人を含めた総数として掲載することとなった。
白書改訂の背景と目的
環境省によると、この改訂は被害の実態をより正確に伝えるための措置である。従来の生存者数だけでは、水俣病の長期的な影響や被害の規模を把握することが難しく、被害者団体からは「被害の全体像が国民に正しく伝わっていない」との指摘が寄せられていた。これを受け、同省は今年の白書から累計の認定患者数を掲載する方針に転換した。
具体的な数値
亡くなった人を含めた認定患者数(2026年1月現在)は、新潟県で717人、熊本県で1791人、鹿児島県で493人となっている。これらの数字は、水俣病が広範囲にわたり長期間にわたって被害をもたらしたことを示している。
政治解決による救済者数
また、白書では1995年の政治解決と、2009年の水俣病特別措置法に基づき救済された人数についても県ごとに記載された。これにより、行政による救済措置の実績が明確になり、今後の政策立案にも役立つと期待される。
今後の課題
環境省は、今回の改訂を通じて水俣病問題の正確な理解を促進し、被害者支援のさらなる充実を図りたいとしている。しかし、被害者団体からは「まだ救済が不十分な地域もある」との声も上がっており、引き続き対策が求められる。



