水俣病認定患者数、死者含めた表を新たに追加 環境白書、患者団体の指摘受け
水俣病認定患者数、死者含めた表を追加 環境白書

環境省は5日、2026年度の「環境白書」を公表した。水俣病の認定患者数について、生存者だけでなく死亡者を含めた数を記した表を新たに掲載した。これまで生存者のみの表をもとに教科書が作られており、患者団体から「問題が矮小化され、被害の甚大さや深刻さが伝わらない」との訴えがあった。

背景と経緯

環境白書では、水俣病やイタイイタイ病などについて、公害健康被害補償法(公健法)による認定者数を示してきた。本文中では死亡者も含めた数を記載する一方、一覧表は生存者のみで記載していた。25年度白書の表では、水俣病の認定患者数は水俣湾沿岸地域の熊本県166人、鹿児島県48人、阿賀野川下流地域の新潟県34人、新潟市56人となっていた。

一部の中学校社会の教科書では、環境白書の一覧表を元に、生存者数のみが記されていた。これに対し、患者・被害者団体でつくる「水俣病被害者・支援者連絡会」が昨年から、「将来的には患者数がゼロになり、水俣病事件がなかったことになりかねない」と環境省に死亡者を含めた記載を求めていた。

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新たな白書の内容

26年度の白書では、26年1月末までの公健法による認定患者数を、死亡者も含めて3001人(熊本県1791人、鹿児島県493人、新潟県717人)と記載した。さらに、二度の政治解決による一時金などの支給対象者の数も示された。

環境省によると、記載の変更は患者団体の要望を踏まえたものであり、少なくとも1987年度の白書から現在の記載となっていたという。変更の理由については「判然としない」としている。

関係者の反応

石原宏高環境相は5日、白書を閣議決定した後の記者会見で「自治体、市民など幅広い関係者のお声を丁寧に伺い、資料を作成していくことが重要」と述べる一方、「これまでの記述が不適切とは認識していない」とも話した。

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