DJが流す音楽に合わせて、ペンライトの光が夕暮れの国会前でゆらゆらと揺れた。白い花束を抱えた人、LEDで輝くメッセージを掲げる人、編み物で「STOP WAR」とつづった人。それぞれの表現方法で、デモの場に関わっていた。
多様な参加者とその思い
5月29日に開催された国会前のデモは、20~40代の市民らでつくる「WE WANT OUR FUTURE」が主催。約1万人(主催者発表)が、反戦や護憲などの声を上げた。2月の衆院選で自民党が圧勝し、高市早苗首相が改憲に意欲を示したことへの危機感から始まった。
参加者には女性や若者の姿が目立つ。日々のニュースを見るたび気持ちが沈み、「部屋で1人でうつうつとしているよりは」と国会前に足を運んだ大学生の20代女性。今回が参加2回目。政治に対して自分と同じように疑問を持つ人がいたことに勇気づけられた。
若い参加者からは、元々デモに対して「怖い」「過激」などの印象があるとの声を聞いた。しかし、ペンライトを掲げ、音楽が流れるスタイルがそれぞれの「最初の一歩」を軽くしたようだ。
編み物で伝える平和への願い
編み物で「STOP WAR」と書かれたメッセージを手にした60代の事務職女性は「国会前でまず感じることは、若い女性が多い」ことだという。これまでのデモは男性主体に思えたが、女性が中心になっている今回の運動に変化を感じている。
「女の人が動くと世の中が変わるんじゃないか。女性は生活や子育てをしたりすることに敏感。戦争については自分や子どものことだという風に切実に感じ、敏感に反応してしまうのだと思う」と2月からデモに通い続けている。
非攻撃的な形での参加
20代の会社員女性は、「何もしなかったことになるのがいやだった」と話した。デモは無駄に終わるのではと、あきらめ交じりの気持ちもある。世間からの冷笑的な空気も感じる。しかし、白い花束だけを抱えて歩いたのは「平和を願って来ている」ことを非攻撃的なかたちで示したかったからだ。
ただ、別の緊張も漂う。ネットで攻撃の対象になることの不安から、名前を出すことに慎重な人、素顔を撮られることを避ける人は少なくない。
集う理由はそれぞれ、それでも同じ場所に
集まった人びとの考えは、必ずしも同じではない。軍拡への不安、生活への危機感など、ここに来た理由は少しずつ違う。それでも同じ場所に集う。
整然とした一つの意思ではなく、不安や願いを抱えた人びとが、互いを押しのけずにいられること。国会前には、多種多様な「光」が、広がっていた。



