いわき信用組合の不正融資問題 元幹部ら事情聴取へ 反社会的勢力に9億円超提供
いわき信用組合(福島県いわき市)が不正融資で多額の資金を捻出し、一部を反社会的勢力に提供していた問題で、福島県警が協同組合による金融事業に関する法律違反の疑いで、信組の元幹部ら複数人から事情を聴く方針を固めたことが16日、捜査関係者への取材で明らかになった。県警は任意で捜査を進めるとみられ、捜査対象は法人としての信組と元幹部らとされる。
東北財務局が異例の刑事告発 虚偽報告の悪質性を指摘
福島県警は今年1月、東北財務局(仙台市)から信組に対する刑事告発を受けていた。同局は信組側の対応に関して、報告書に虚偽の内容があり、検査でも事実と異なる答弁をしたことから、悪質性が高いと判断し、異例の告発に踏み切った経緯がある。
金融庁などの調査によると、信組は預金者に無断で口座を偽造して架空融資を行う「無断借名融資」の資金管理に関して、当時の経営体制を維持するため、事実を隠した疑いが強まっている。さらに、不正に関する重要情報を保存したとされるパソコンについて、信組の担当者が当時の役員に渡していたにもかかわらず、この元役員の指示で「破壊した」と虚偽の説明をしたとされる。
第三者委員会の調査で判明した巨額の不正融資と資金流出
問題に関する第三者委員会と特別調査委員会の調査結果によると、信組は「無断借名融資」などの手口で合計279億8400万円の不正融資を行い、このうち25億5100万円を外部に流出させていた。さらに、不正の口止め料などの名目で、反社会的勢力に9億4900万円を提供していたことが判明している。
この不正融資は、預金者の同意なしに口座を偽造し、架空の融資を行う手法で、金融機関の信頼を著しく損なう行為として注目されている。県警の捜査は、こうした組織的な不正の全容解明と、関係者の責任追及を目指して進められる見通しだ。
いわき信用組合は地域金融機関として長年にわたり地元経済を支えてきたが、今回の問題はその経営体制の根幹を揺るがす重大な不祥事として、地域社会にも大きな衝撃を与えている。今後の捜査の進展と、金融当局による監督強化の動きが注目される。