7歳女児殺害事件の遺族、3度目の損害賠償請求訴訟が福岡地裁で始まる
2001年に長崎県諫早市で発生した小学1年生の女児(当時7歳)殺害事件をめぐり、遺族が加害者に対して約7千万円の損害賠償を求める訴訟の第1回口頭弁論が、2026年2月24日に福岡地裁(樺山倫尚裁判官)で開かれた。この提訴は昨年12月15日付で3回目となり、過去に賠償を命じた判決が時効(10年)によって消滅するのを防ぐための措置とされている。
受刑者は出廷せず、即日結審で3月13日に判決予定
無期懲役が確定している受刑者(48歳)はこの日の口頭弁論に出廷せず、事前に提出した答弁書による「擬制陳述」が行われた。原告側によれば、その内容は「特に反論はありません」というものだった。裁判は即日結審し、判決は3月13日に言い渡される見込みである。
事件の概要と過去の賠償判決の経緯
刑事裁判の確定判決によると、受刑者は2001年10月、諫早市内の路上で下校途中の女児を車に乗せ、約10キロ離れた林道で首を絞めて殺害し、死体を山林に遺棄した。遺族である両親らは2003年に損害賠償を求める訴訟を起こし、2005年に約7千万円の賠償を命じる判決が下された。しかし、民法の規定により、判決で得た権利は10年で失効する。受刑者からは一度も支払いがなく、遺族は2015年にも提訴し、翌年に同額の賠償を命じる判決が出たが、その後も支払いはなかったという。
父親の意見陳述と法制度への訴え
女児の父親(71歳)は意見陳述で、「誠意のある謝罪があるまで決して終わらない。娘のために私に与えられた闘いなのです」と語り、事件の影響でうつ病などを発症し、生活が困難になったと述べた。記者会見では、「いくら賠償命令が出ても現実は厳しい。国が立て替えるなど法制度を見直してほしい」と訴え、賠償金の未払い問題に対する制度の改善を強く求めた。
社会的背景と今後の展望
この事件は、被害者遺族が長年にわたり賠償金の支払いを受けられないまま、法的手続きを繰り返さざるを得ない状況を浮き彫りにしている。時効による権利消滅を防ぐための再提訴は、遺族にとって精神的・経済的な負担が大きく、司法制度の課題として注目されている。今後の判決では、賠償命令の実効性や遺族支援のあり方が改めて問われることになるだろう。



