女性刺殺事件で受刑者の母が最高裁へ上告 遺族への賠償約5400万円不服
女性刺殺事件 受刑者の母が最高裁へ上告 賠償約5400万円不服 (07.04.2026)

女性刺殺事件で受刑者の母が最高裁へ上告 遺族への賠償約5400万円不服

福岡市の商業施設で令和2年に発生した女性刺殺事件をめぐり、少年院を仮退院したばかりの15歳だった男性受刑者(現在20歳)とその母親に対する損害賠償訴訟で、福岡高等裁判所が母親側に約5400万円の連帯支払いを命じた判決に対し、母親側が最高裁判所に上告したことが7日までに明らかになった。上告の手続きは6日付で行われた。

二審判決で母親の監督義務違反を認定

福岡高裁は先月25日の二審判決において、一審の福岡地裁判決を変更し、母親の監督義務違反を明確に認めた。判決文では、「仮退院の前後において、受刑者が他者に重大な危害を加える恐れを具体的に予見していた」と指摘。母親は仮退院時に受刑者を引き受ける義務があり、他害行為に及ばないよう指導監督すべきであったと判断した。

さらに、「その義務を怠らなければ、本件事件を防止できた可能性が高い」と述べ、母親の責任を強く認定した。これにより、一審で受刑者のみに賠償を命じていた判決が覆り、母親にも連帯責任が課せられることとなった。

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事件の経緯と訴訟の流れ

事件は令和2年8月28日、福岡市の商業施設「マークイズ福岡ももち」で発生した。当時15歳だった男性受刑者は、面識のない客である吉松弥里さん(当時21歳)を刺し、殺人罪などで起訴された。福岡地裁の裁判員裁判では、懲役10年以上15年以下の不定期刑が言い渡され、判決は確定している。

遺族側は、受刑者と母親に対して損害賠償を求める訴訟を提起。一審の福岡地裁判決では、受刑者のみに賠償が命じられ、母親の責任は認められなかった。これに対し、遺族側は不服として控訴した一方、受刑者側は控訴しなかった。

二審の福岡高裁では、母親の監督義務違反が焦点となり、約5400万円の支払いを連帯して命じる判決が下された。母親側はこの判決を不服とし、最高裁への上告に踏み切った。

今後の展開と社会的影響

この訴訟は、少年院からの仮退院者に対する家族の監督責任が争点となっており、今後の判例に影響を与える可能性がある。母親側の上告理由は明らかにされていないが、監督義務の範囲や予見可能性についての法的解釈が焦点となる見込みだ。

遺族側は、事件による精神的苦痛と経済的損失を訴え続けており、最高裁での審理の行方に注目が集まっている。この事件は、社会全体で少年犯罪と家族の責任について考えるきっかけともなっている。

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