岐阜県教諭と職員、過重労働自殺で公務災害認定 遺族が賠償請求へ
岐阜県教諭と職員、過重労働自殺で公務災害認定

岐阜県立高校に勤務していた男性教諭(当時37歳)と、岐阜県農政部に勤務していた男性職員(当時27歳)が過重労働の末に自殺し、それぞれ今年3月に地方公務員災害補償基金から公務災害に認定された。遺族や代理人弁護士が4日の記者会見で明らかにした。遺族らは今後、県に損害賠償などを求める方針だ。

教諭のケース:長時間勤務と部活動負担

代理人弁護士らによると、男性教諭は2021年6月頃から長時間勤務や部活動の負担、コロナ対応などで精神的負荷が増加。同年10月から22年4月にかけ、20~32日間の連続勤務を3度繰り返し、同月に勤務先の学校で命を絶った。遺族らは23年に同基金に公務災害認定請求書を提出した。

同基金は、男性教諭が21年10~11月の1か月間で97時間45分の時間外労働をしているのを確認。遅くとも22年4月までにうつ病を発症していたと認定した。その上で、精神疾患を発症させるほどの業務負荷があり、公務災害と認めた。

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記者会見で、男性教諭の妻(42)は「土日のほとんどは部活に行き、遠くまで試合や練習試合に行っていました。夫は疲れ切っていただけでなく、追い詰められて苦しんで心を病んでしまっていた」などとする手記を読み上げた。その上で県教育委員会に対し、「夫のように死を選ぶ方を二度と生まないようにしてください」と訴えた。

職員のケース:年度末の長時間労働

一方、農政部の男性職員は21年1~3月、長時間労働が続くようになり、年度末の同3月には時間外労働時間が約110時間に上った。4月に体調を崩し、5月には適応障害と診断された。同月からは病気休暇の末に休職をし、通院治療などもしていたが、23年7月に自殺した。

男性職員の遺族はその後、県に調査を2度申し入れ、24年10月に公務災害認定請求をした。同基金は、21年3~4月にかけ、公務災害の認定基準となる1か月あたり100時間以上の時間外労働があったと認め、精神疾患の発症は公務に起因しているとした。その上で、自殺が公務と相当因果関係を持って発生したと認めた。

男性職員の父親(53)は「今も突然息子を失った日のまま時間が止まっている。県には実効性ある再発防止策に取り組んでもらいたい」とコメントを出した。

過去にも同様の事例

13年にも郡上特別支援学校(郡上市)の20歳代の男性講師と県の30歳代の男性職員が長時間労働やパワハラを受けた末に自殺し、その後、同基金にいずれも公務災害が認められた。今回の公務災害の認定を受け、遺族らは再発防止の徹底と、責任の所在を明らかにすることなどを求めている。

江崎禎英知事と堀貴雄教育長は「重く受け止め、適切な職場管理を徹底する」とのコメントを出した。

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