性風俗店への違法あっせんで実刑判決 「アクセス」代表に懲役4年6カ月
東京地裁は2026年3月26日、全国の性風俗店に女性を違法にあっせんしたとして、職業安定法違反や組織犯罪処罰法違反の罪に問われたスカウトグループ「アクセス」代表の遠藤和真被告(34)に対し、懲役4年6カ月および罰金400万円の実刑判決を言い渡した。検察側が求刑した懲役7年・罰金400万円を下回るものの、組織的な犯罪行為を主導したとして厳しい刑が科された。
全国1800店と契約 女性10人を違法にあっせん
判決によると、遠藤被告は2023年から2024年にかけて、全国の性風俗店に女性10人を違法にあっせんした事実が認定された。アクセスは全国の約1800の性風俗店と契約を結び、ホストクラブの売掛金を抱えた女性らを売春目的で紹介する「ビジネス」を展開していた。このグループは「匿名・流動型犯罪グループ」の一つとされ、メンバーは約300人に上ると推定されている。
寺尾亮裁判長は判決理由で、「被告は昇格制度がある組織の中でスカウトへの指示内容を決定するなど、犯行を主導していた」と指摘。さらに「女性の尊厅を顧みず、常習的に性風俗店に紹介した行為は極めて悪質である」と断じ、組織的な犯罪の実態を厳しく非難した。
紹介料約8千万円の隠匿も認定 組織犯罪処罰法違反で有罪
弁護側は、性風俗店から受け取った約8千万円の紹介料を隠匿したとする組織犯罪処罰法違反の起訴内容について、「隠匿する意図はなかった」として無罪を主張していた。しかし判決は、現金の封入が禁止されているレターパックを使用し、品名欄に虚偽の記載をして金銭を受け取る手法を採用した事実を認定。
「この方法は捜査機関による発見を困難にさせる意図的な隠匿行為に該当する」と判断し、組織犯罪処罰法違反の罪状についても有罪とする結論を示した。裁判所は、金銭の隠匿手法まで緻密に計画された組織的犯行の全容を明らかにしたのである。
風俗スカウトの実態と社会的背景
アクセスをはじめとする風俗スカウトグループは、ソーシャルメディアのX(旧ツイッター)で女性を募集し、表計算ソフトを使って管理するなど、現代的な手法で「ビジネス」を拡大してきた。判決は、こうした組織が社会的に弱い立場にある女性を標的にし、経済的困窮などを利用して性風俗店へのあっせんを繰り返してきた実態を浮き彫りにした。
今回の判決は、単なる個人の犯罪ではなく、組織的に運営される風俗あっせんビジネスに対する司法の厳しい姿勢を示すものとなった。同時に、売春防止法の見直し議論が進む中で、「買う側」の処罰問題とともに、「働く当事者の声」が十分に反映されていない現状への課題も改めて提示する結果となっている。
東京地裁の判決は、女性の尊厅を軽視した組織的犯罪に対して明確なメッセージを送るとともに、今後の類似事件の裁判例としても重要な意味を持つものと評価されている。社会の闇に潜む風俗あっせんビジネスの実態が、司法の場で詳細に検証された歴史的な判決と言えるだろう。



