特殊詐欺の被害に遭った4人が、指定暴力団・六代目山口組のトップである篠田建市組長(通称・司忍)ら3人に対し、総額約6200万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地方裁判所に提起したことが明らかになった。第1回口頭弁論が12日に行われ、被告側は請求の棄却を主張した。
IP電話回線が詐欺に悪用される
訴状によると、4人の被害者は2022年10月から12月にかけて特殊詐欺に遭い、合計約4300万円を騙し取られた。この詐欺事件では、六代目山口組の傘下組織に所属する組員(詐欺ほう助罪などで既に有罪確定)が詐欺グループに提供したIP電話回線が使用されていたという。
暴力団対策法に基づく賠償責任
暴力団対策法は、指定暴力団の代表者に対して、組員が資金獲得を目的として威力を用いて他人の財産を侵害した場合の賠償責任を規定している。原告側はこの規定に加え、組員が詐欺ほう助罪で有罪確定した事実を根拠に、篠田組長には特殊詐欺被害に対する賠償責任があると主張。さらに「組員は篠田組長らの直接・間接の指揮下にあった」として、民法上の使用者責任も適用されるべきだと訴えている。
大阪地裁での今後の審理では、暴力団の組織的責任の範囲が争点となる見通しだ。原告側は、組長の賠償責任を明確にすることで、特殊詐欺の撲滅につなげたい考えだ。



