静岡県、クマ管理計画案を初提示 三つのゾーン設定し共存目指す
静岡県、クマ管理計画案を初提示 三つのゾーン設定

静岡県は5日、県内で目撃が相次ぐツキノワグマの管理計画案を有識者らでつくる県環境審議会に示した。クマが主に生息する山地と人の生活圏の間に「緩衝地域」を設定。このゾーンのうち人の生活圏に近いエリアを「管理強化区域」とし、わなや猟銃で捕獲するなどして個体数の調整を図るほか、クマが定着しない環境を整備する。県のツキノワグマ管理計画の策定は初めて。

背景と現状

県内では2025年度のクマの目撃件数が統計を取り始めた13年度以降で最多の200件に上った。中東遠地域の市街地でも出没しており、生息域が拡大している可能性がある。県によると、ツキノワグマによる人的被害は05年度以降7件8人。いずれも登山やキノコ狩り、農作業中に遭遇した男性で死亡事例はない。林業への被害は県西端から富士川までの「南アルプス地域」で恒常的に発生し、毎年20~30件の許可捕獲を実施している。

計画案の概要

計画案は「人とクマとの軋轢を軽減しつつ、共存すること」が目的。クマの主要な生息地となる山地から人の生活圏までを三つのゾーンに分類。「コア生息地」、人とクマの利用域が重なる「緩衝地域」、人の生活圏でクマの侵入を防ぐ「排除地域」で、各ゾーンごとに個体群管理や捕獲、クマを寄せ付けない環境整備の考え方を定めている。

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ゾーン別の対策

  • コア生息地:今後も推計調査を実施し、個体数の動向を把握。
  • 緩衝地域:管理強化区域では、クマの行動を詳しく分析する生息動向モニタリングに力を入れる。
  • 排除地域:人の生活圏でクマの侵入を防ぐための環境整備を行う。

調査と今後の予定

県は24年6~10月に静岡市と富士宮市の山中で、個体数の推計調査を初めて実施した。約40カ所に設置したセンサーカメラによる情報を分析し、県内にツキノワグマが約540頭生息していると推計した。計画案では、コア生息地で今後も推計調査を実施。管理強化区域では、クマの行動を詳しく分析する生息動向モニタリングに力を入れる。得られたデータを基に県の施策が適切かを検証し、管理計画を修正していく。計画は来年3月の公表を目指し、環境審議会で引き続き有識者に意見を求める。計画期間は来年4月から5年間。

新たな取り組み

今年からえさとなるドングリの豊凶調査を始め、秋の出没予測に生かす。県自然保護課の担当者は「やみくもにクマを捕獲するのではなく、生息数を管理していく」と話した。

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