大川原化工機冤罪事件、遺族が国を提訴へ 身体拘束認めた裁判官37人の判断を違法と主張
大川原化工機冤罪事件 遺族が国を提訴へ 裁判官37人を違法と主張 (26.03.2026)

大川原化工機冤罪事件で遺族が国を提訴へ 裁判官37人の判断を違法と主張

精密機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の冤罪事件において、逮捕・起訴後に保釈が認められないまま亡くなった同社元顧問の遺族が、身体拘束を認めた裁判官の判断が違法だったとして、4月上旬にも国に約1億7000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こす方針を固めた。

元顧問の相嶋静夫さんが勾留中に死去

提訴するのは、同社元顧問の相嶋静夫さんの妻や子らである。相嶋さんは2020年3月、同社の噴霧乾燥機を不正輸出したとする外為法違反容疑で社長らとともに逮捕され、起訴された。勾留中にがんが見つかったが、東京地裁への計8度の保釈請求は「証拠隠滅を疑う理由がある」などとして認められず、被告の立場のまま2021年2月に72歳で亡くなった。社長らの起訴はその約半年後に取り消されている。

37人の裁判官が関与 遺族側が違法性を主張

代理人弁護士によると、相嶋さんの逮捕や勾留、保釈請求の却下などに関わった裁判官は37人にのぼる。訴訟では、裁判官らが証拠を精査すれば必要のなかった逮捕や勾留を認めたり、治療が必要な人の身体拘束を長期間続けたりしたとして、注意義務を怠った違法があったと主張する方針だ。

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遺族側は、裁判官の判断が相嶋さんの適切な医療を受ける機会を奪い、結果的に死を招いたと訴える構えである。

既に国家賠償訴訟で警視庁と検察庁の違法性が確定

この事件を巡っては、遺族らが起こした国家賠償請求訴訟で、警視庁の逮捕と東京地検の起訴を違法とし、東京都と国に計約1億6600万円の賠償を命じた東京高裁判決が確定している。警視庁と検察庁は2025年8月に謝罪を行い、相嶋さんの遺影を前に長男と次男が記者会見を開く場面もあった。

今回の新たな訴訟は、司法機関内部の判断そのものに焦点を当て、裁判官の責任を問う点で特徴的だ。遺族側は、37人もの裁判官が関与したことで、組織的な過誤が生じた可能性を指摘している。

訴訟の行方は、冤罪事件における司法のあり方や、身体拘束の適正手続きに関する議論を喚起することが予想される。遺族は、相嶋さんの無実が証明された今、司法の過ちを徹底的に検証し、再発防止を求める姿勢を示している。

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