フラット35詐欺で主導役の男に実刑判決、出家装い改名させ「人間洗浄」
フラット35詐欺主導役に実刑、出家装い改名

福岡地裁小倉支部は3日、長期固定金利の住宅ローン「フラット35」の融資金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた北九州市小倉北区の会社役員、石井隆道被告(58)に対し、懲役3年6カ月(求刑懲役6年)の判決を言い渡した。

事件の概要と判決

判決によると、石井被告は実行役の男4人と共謀し、うち2人に改名させて別人を装わせ、虚偽の勤務先や年収を記した借り入れ申込書を作成した。さらに源泉徴収票を偽造し、虚偽の内容が記された課税証明書も取得。2022年10月から2023年6月にかけて、金融機関からフラット35の融資金計約9100万円をだまし取った。

丸林裕矢裁判官は、被告が多数の者を関与させ、信用情報などから住宅ローンの審査が通らない人を改名させ、収入を偽らせて融資金を詐取する仕組みを構築し実行したと認定。「住宅ローン制度の根幹を揺るがし、詐欺の中でも悪質性は高度な部類に属する。被告は主導的・中心的な役割を果たした」と指摘した。

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「人間洗浄」と称された手口

共謀の罪に問われた別の男(懲役2年4カ月の判決、控訴中)の公判では、改名の詳細な手口が明らかにされた。石井被告は僧侶に謝礼金を支払い、修行の経験がないまま「得度証」を発行させ、男の出家を装った。その上で裁判所に氏名変更許可を申し立て、男の名を「将仁(まさと)」から「将光」に改名させた。

福岡県警の捜査幹部は一連のスキームについて「人間のロンダリング(洗浄)がなされた」と話している。

被告の公判と残された課題

石井被告は自身の公判で起訴内容を認めていたが、弁護側は量刑の軽減を求めていた。判決は検察の求刑を下回るものの、実刑判決となった。本件は住宅ローン制度を悪用した巧妙な詐欺事件として注目され、金融機関の審査体制の見直しや、氏名変更手続きの厳格化が求められている。

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