長崎・諫早女児誘拐殺害事件、遺族が3度目の賠償命令勝ち取る 福岡地裁が7000万円支払い命じる
諫早女児誘拐殺害、3度目の賠償命令 遺族が7000万円勝ち取る

長崎・諫早女児誘拐殺害事件で3度目の賠償命令 福岡地裁が7000万円支払いを命じる

2001年に長崎県諫早市で発生した小学1年生女児誘拐殺害事件の被害者遺族が、加害者である受刑者に対して損害賠償を求めた3度目の訴訟で、福岡地裁(樺山倫尚裁判官)は2026年3月13日、請求通り約7000万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。この判決により、遺族側は法的な賠償請求権を維持することに成功しました。

事件の概要と加害者の経緯

福岡地方裁判所の刑事裁判確定判決によりますと、受刑者(48歳)は2001年、諫早市内で下校途中だった小学1年生の女児(当時7歳)を誘拐し、わいせつ行為に及んだ上で、首を絞めて殺害するという凶悪な犯行を行いました。この事件を受けて、2002年には殺人罪などにより無期懲役刑が言い渡され、その後判決が確定しています。受刑者は現在も刑務所で服役を続けています。

遺族の長年にわたる法的闘い

被害者遺族は2003年、加害者に対して損害賠償を求める訴訟を長崎地裁大村支部に提起しました。同支部は「愛する娘を失った遺族の悲しみは筆舌に尽くしがたい」と指摘し、約7000万円の賠償を命じる判決を下し、これが確定しました。しかし、実際の支払いは行われず、民法で定められた10年の時効によって賠償請求権が消滅することを防ぐため、遺族側は2015年に再び福岡地裁に提訴しました。

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2016年には同様の判決が確定しましたが、その後も支払いはなく、この判決も2026年1月に時効を迎えることから、遺族側は昨年12月に3度目の訴訟を提起していました。このような繰り返しの訴訟は、時効による権利消滅を回避するための法的措置として行われています。

法廷での遺族の心情と加害者の対応

今回の訴訟では、被害女児の父親(71歳・福岡市在住)が法廷に立ち、「いとしい娘の笑顔はかえってこない。裁判所には犯罪被害者の心情を理解した判決をお願いしたい」と切実な思いを陳述しました。これに対して、受刑者側は「特に反論はありません」との内容の答弁書を提出していたことが明らかになりました。

判決の意義と今後の課題

今回の判決は、以下の重要な点を示しています:

  • 犯罪被害者遺族の法的権利を時効から保護するための継続的な努力が認められたこと
  • 加害者に対する賠償責任が繰り返し確認されたこと
  • 司法が被害者遺族の心情に配慮した判断を示したこと

しかし、実際の賠償金の支払いが行われていない現状は、被害者遺族にとって未解決の課題として残されています。受刑者が服役中であることから、賠償金の回収には依然として困難が伴う可能性が高い状況です。

この事件は、凶悪犯罪の被害者遺族が長年にわたり法的な賠償請求を維持するために必要な手続きの複雑さと、加害者からの実際の賠償履行の難しさを浮き彫りにしています。遺族側は今後も、法的権利の維持と賠償金の回収に向けた取り組みを続けることになります。

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