南海トラフ地震で愛知県が新想定、死者最大2万7000人
南海トラフ地震で愛知県新想定、死者最大2万7000人

愛知県は2日、南海トラフ巨大地震が発生した場合の県内における新たな被害想定を公表した。それによると、最大で死者数が2万7000人に上ると見込まれ、そのうち津波や浸水による死者が1万4000人と全体の約5割を占めることが明らかになった。

新想定の概要

県が独自にまとめた被害想定は、2014年5月以来、実に12年ぶりの改定となる。前回の想定では最大死者数が2万9000人とされていたが、建物の耐震化や建て替えの進展により2000人減少した。

想定の前提条件

今回の想定は、前回と同様に「発生確率は極めて低いが理論上起こり得る最大クラス」の地震を前提として算出された。2024年の能登半島沖地震など近年の地震被害状況や高齢者の避難速度を新たに考慮し、地質調査や測量などの最新データも反映させている。

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死者の内訳

死者2万7000人の内訳は、津波・浸水による死者が1万4000人、建物倒壊などで1万2000人、火災で1300人、崖崩れなどで80人となっている。最も死者数が大きくなる想定は、冬の深夜に地震が発生した場合とされている。また、建物被害は最大36万7000棟に上ると推計されている。

津波の高さと到達時間

想定される最大クラスの津波は、田原市で20.2メートル、豊橋市で16.1メートル、南知多町で9.4メートルに達する。最短の津波到達時間は豊橋市で6分、田原市で8分、南知多町で27分とされている。

新たな試算と経済被害

県は、地震直後の早期避難率が高ければ約9000人が助かるという試算も示した。また、直接死とは別に、災害関連死者数を3300人から8400人とする想定を初めてまとめた。損壊した住宅や道路、上下水道などのライフライン復旧コストは物価高騰の影響で跳ね上がり、直接的な経済被害は19.4兆円と前回の想定より5.5兆円増加した。

国との想定の違い

国は2023年3月に新たな被害想定を公表しており、県内の死者を最大1万9000人としていた。しかし、県は地震の揺れで堤防の地盤が75%沈むという厳しい前提を置いたため、想定死者数に差が生じた。県は今回の想定を基に、避難意識の向上や耐震化などの被害軽減策を進める方針である。

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