茨城県警のまとめによると、2025年に県内で摘発された「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の人数が前年比2割増の367人に上った。うち20歳未満は64人で約2割を占める。また、関与が疑われる特殊詐欺の被害額は2025年1年間で50億円を超え、過去10年で最悪となった。県警は今年度から捜査員を増員するなど対策を強化している。
摘発の内訳と若年化の実態
県警組織犯罪対策1課によると、2025年の摘発人数は前年から56人増加。罪種別では金属盗などの「窃盗」が79人で最多、次いで特殊詐欺などの「詐欺」が41人、覚醒剤などの「薬物」が36人と続く。SNSで実行役を募集する「闇バイト」を通じて関与したのは29人だった。
特に20歳未満の摘発が目立ち、全体の約2割を占める。若者の闇バイト加担が深刻化している。
特殊詐欺被害の悪化
トクリュウの関与が疑われる特殊詐欺被害は年々深刻化。2025年の県内被害総額は50億円を超え、2026年も4月末時点で前年同期比11億円増の約19億円に上る。
県警の対策強化
県警は2026年度から、ニセ電話詐欺対策室を「匿名・流動型犯罪グループ対策室」に改組し、捜査員を増員。さらに、犯罪収益対策係を新設し、マネーロンダリングなどを専門に捜査。犯罪収益の剥奪により組織の弱体化を図る。
県警は「知人からの紹介でも、少しでも怪しいと思う仕事には一切応じず、警察に相談してほしい」と呼びかけている。
専門家の見解:若者が闇バイトに加担する理由
東洋大の桐生正幸教授(犯罪心理学)は、若者が闇バイトに加担する背景に「コスパ(費用対効果)」と「タイパ(時間対効果)」を重視する価値観があると指摘。闇バイトは「簡単な仕事で高額報酬」と謳い、若者の心理を利用する。応募する若者は危険を感じても、合理的選択理論から「得られる利益が大きい」と実行に踏み切るという。
対策として桐生教授は「社会全体で危険性を教育する取り組みが最も重要」と強調。20~30歳代の世代が若者に具体的に危険性や犯罪性を説明することで、若者が懐疑的に考え、社会的孤立を防げるとしている。



