インスタ投稿盗用で提訴 保育士派遣会社が同業者を相手取り1278万円請求
インスタ投稿盗用で提訴 同業者に1278万円請求

インスタ投稿の盗用問題で訴訟に発展 保育士派遣会社が同業者を提訴

ソーシャルメディア上で自社が作成した「お役立ち情報」が、無関係のアカウントからそっくりそのまま発信されている――。そんな事態に気付いた保育士専門の人材派遣会社「ベルサンテスタッフ」(大阪市)が、同業者を相手に損害賠償を求める訴訟を起こした。

取材とアンケートで制作した独自コンテンツ

訴状やベルサンテ側の説明によると、同社は2019年から保育士の実務に役立つ情報をインスタグラムに投稿してきた。海外の保育事情を現地の保育士に直接取材したり、実際に働く保育士へのアンケートを実施したりして、独自にコンテンツを制作していたという。

例えば「保存版!先生が選んだおすすめ保育の参考書10選」と題した2024年12月の投稿では、発達支援の専門誌や食育の指導書など、現場で実際に役立つ参考書10点を紹介。文書や写真を用いて作成した計10枚のスライドで構成されていた。

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そっくりな投稿が別アカウントから出現

問題が表面化したのは翌2025年1月。ベルサンテとは異なるアカウントから、「保育必須!!保育のおすすめ参考書10選」というタイトルの投稿がなされた。紹介されている参考書のリストはもちろん、スライドの順番まで完全に一致。コメントの文言もほとんど同じ内容だったという。

ベルサンテの調査によると、このアカウントは保育士向け情報を発信する会社(東京都渋谷区)が運営するもの。さらに「100円ショップ人気アイテム20選」や「クリスマス会おすすめ遊び10選」といった複数の投稿についても、盗用が疑われると主張している。

一時は謝罪もその後連絡途絶え

ベルサンテが投稿の削除と経緯説明を求める通知書を送付したところ、渋谷区の会社からは書面で「模倣」を認め、該当投稿を削除して謝罪する旨の回答があった。示談の提案もなされたが、その後連絡が途絶えたため、提訴に踏み切ったという。

ベルサンテ側は、盗用が疑われる投稿はスライドにして合計639枚に上ると指摘。大阪地裁に提起した訴訟では、1枚当たりの損害額を2万円として、総額1278万円の賠償を求めている。

被告会社は著作権侵害を否定

被告となった会社側は取材に対し、「著作権の侵害には当たらない」との見解を示し、訴訟で争う姿勢を明確にした。注目すべきは、この会社が2024年に口コミの無断転用を認めた過去がある点だ。

ベルサンテの中野栄造社長は「時間と手間暇をかけて制作したコンテンツを、簡単にコピーして発信する行為は許されない」と憤りをあらわにしている。著作権法に詳しい専門家によれば、この種のケースでは「創作性」の有無が争点になる可能性が高いという。

今回の訴訟は、SNS時代における知的財産権保護の在り方を問う重要な事例として注目を集めそうだ。企業がソーシャルメディアで発信するオリジナルコンテンツの価値が高まる中、類似のトラブルが増加する可能性も指摘されている。

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