「差別されずに生きてきた」からこそ伝えたい 歌手クミコさんが目指す社会
「差別されずに生きてきた」からこそ伝えたい 歌手クミコさん

「みんな同じ人間だねフェス」に込められた思い

差別や排外主義に抗う表現者たちが一堂に会するライブイベント「みんな同じ人間だねフェス」が、2026年6月下旬に東京都新宿区歌舞伎町の新宿FACEで開催される。このフェスは、国籍や宗教、セクシュアリティー(性のあり方)などによる差別をなくし、多様性を受け入れる社会を願うイベントで、通称「みなフェス」と呼ばれている。

出演するシャンソン歌手のクミコさんは、自身の経験を踏まえながら、このフェスに懸ける思いを語った。「人は気づかぬうちに境界線をつくってしまう。この舞台でさまざまな人の歌や言葉を聴いてもらい、境界線を溶かし、みんなが分かり合い、理解し合える社会につなげたい」と力強く呼びかける。

企画者の思いとクミコさんの共感

フェスを企画した金晃生さんは、在日2世の朝鮮人として幼少期に差別を受けた経験を持つ。「差別が起こると、コミュニケーションがなくなり、お互いが疑心暗鬼になって憎悪が生まれる。世界で起きている紛争や戦争はすべて差別から起きている。差別をなくすには、お互いを知ろうとすることが大事だ」と語る。

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クミコさんは金さんの思いに強く共感し、出演を決意した。「フェスの名前が素晴らしい。世界中の理不尽なことはすべて『みんな同じ人間だね』で解決できる」と述べ、さらに「私は差別されずに生きてきた。踏まれる側にならないと、痛みは分からない。踏まれる側と、踏まれたことがなく、ひょっとすると踏む側になっていたかもしれない側が同じ舞台に立ち、『みんな同じ人間だね』と伝える意味もあると思う」と語った。

ドラァグクイーンとの共演

フェスの見どころの一つは、派手なメイクと衣装でパフォーマンスをするドラァグクイーンとの共演だ。クミコさんは、歌手の神野美伽さんや、ドラァグクイーンのエスムラルダさん、ちあきホイみさん、ギャランティーク和恵さん、ドリアン・ロロブリジーダさんらと共に、歌とトークによるショーを繰り広げる。

「男女の掛け合いの歌で、男性の部分を私が歌い、女性の部分をドラァグクイーンが歌う。いわゆる『男らしさ』と『女らしさ』を逆転させることで、何か見えてくるものもあるのでは」とクミコさんは話す。そして、「差別をなくすには、時間を共有することが何よりの手段。どんな人でも分からないまま『はじめまして』『じゃあ、さようなら』と別れてしまっては理解のしようがない。同じ時間を過ごし、言葉を聞き、パフォーマンスを見ると、人を隔てる境界線が緩んでくる。そんなショーにしたい」と続けた。

フェス開催概要

「みんな同じ人間だねフェス」は6月27日と28日の2日間、両日とも昼と夜の2公演が行われる。クミコさんは27日の昼と夜の部に出演する。また、28日には神野美伽さんが出演する。会場は新宿区歌舞伎町の新宿FACE。さまざまな属性の人々が多く暮らす新宿区がフェスの趣旨に賛同し、後援している。

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