連載:プライド月間2026 インタビュー。ゲイ公表のプロデューサーが、内側から作った「ぼくたちん家」の真意を語る。2026年6月6日、朝日新聞の比嘉太一記者が取材した。
2025年10月から12月にかけて日本テレビ系列で放送された連続ドラマ「ぼくたちん家」は、ゲイのカップルと中学生の同居生活を軸に、当事者が直面する差別や偏見、パートナーシップ制度と法的な結婚制度の壁などを描き、大きな反響を呼んだ。
この作品に企画段階から携わったのは、自身もゲイであることを公表する日本テレビのインクルーシブプロデューサー・白川大介さん(45)だ。エンターテインメント作品を通して当事者の「リアル」を社会に届ける意義や、コンテンツ作りの現在地について聞いた。
「インクルーシブプロデューサー」の役割
白川さんは、これまでのLGBTQ作品では当事者や専門家が「監修」として外部から助言するのが一般的だったが、今回は制作陣の一員として企画書の段階から深く関わったと説明する。具体的には、プロットから台本作り、撮影現場での芝居や演出の確認、編集、番組PRに使うシーンの選定まで、制作プロセス全体に伴走した。
通常の監修者との違いは、テレビ局の社員として企画から放送、宣伝に関わる全てのプロセスに内側から関われることだ。白川さんは自身がゲイであることをカミングアウトしており、社内で表現の相談を受けてきた経験を活かし、自然な流れでこの役割を担うことになった。
「当事者のリアル」をどう反映したか
制作プロセス全体に関わる中で、白川さんは「当事者のリアル」を作品に反映させるために、見た目よりも「気持ちの動き」のリアルさを重視した。世間がイメージする「典型的なゲイ」の見た目に寄せるのではなく、「この状況なら当事者はこう感じるはずだ」という内面の動きを大切にしたという。
また、自身の日常の体験も作品に反映させた。例えば、パートナーシップ制度の実態や、法的な結婚制度との違いについて、当事者としての実感を脚本に盛り込んだ。
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