女性議員増加への挑戦 鹿児島で30年超活動する平神純子氏の思い
国際女性デーが近づく中、女性の社会参加を促進し、地位や権利の向上を目指す取り組みが注目されている。誰もが生きやすい社会の実現に向け、ジェンダー格差の解消や貧困・暴力などの問題解決に取り組む人々の活動が活発だ。その一人が、鹿児島県南さつま市議の平神純子氏(69歳)である。彼女は長年にわたり、女性議員の増加に奔走してきた。
カラフルな地図が示す女性議員の現状
平神氏の自宅の壁には、全国の市区町村議会の女性議員比率を色分けしたカラフルな日本地図が貼られている。10%台は黄色、1桁台は赤色、ゼロは黒色など、計7色で表現されている。この地図を見ると、1998年と2024年を比較して、女性議員がいない自治体が減少したことが分かる。平神氏は「黒く塗られた女性議員がいない自治体は減ったが、まだまだ課題は多い」と指摘する。
初当選から始まった活動の原点
平神氏は1995年の統一地方選で、合併前の旧加世田市議に初当選した。看護師を経て大学で地方自治を学ぶ中、子どもの健診や学校教育などの施策に関心を持ち、立候補を決意した。地盤も看板もない中、選挙準備中に第3子の妊娠が判明し、周囲からは「女のくせに生意気だ」「旦那さんじゃなくてあんたが出るの?」といった冷ややかな視線や心ない言葉を浴びせられた。それでも、定数22人中21番目で当選を果たした。
当時、鹿児島県内の女性議員は総務省のまとめによると計26人で、全議員に占める割合はわずか1.4%だった。この経験から、平神氏は「選挙中に感じた男尊女卑の風潮を変えたい」と強く思い、1996年に県内の先輩女性議員らと「鹿児島県内の女性議員を100人にする会」を発足させた。
女性議員100人達成と次の目標
以来、平神氏は県内各地でセミナーを開催し、政治に興味を持つ女性を勧誘してきた。「夫に反対された」という女性には説得を試み、出馬を決意した女性にはビラ作成のコツなどを指南した。これまでに約15人の当選をサポートし、昨年には県内の女性議員が100人を超えた。しかし、県内の県議会と市町村議会を合わせた議員数に占める女性の割合はまだ14%(2024年12月末現在)に留まっている。
平神氏は「女性議員を増やす必要性を理解しようとしない人はまだ多く、高いハードルを越えていかなければならない」と語る。次の目標として、女性議員がいない「ゼロ議会」の解消を掲げており、県内の6自治体で候補者擁立に向けた活動を進めている。
国際的な視点から見た日本の課題
総務省によると、地方議会における女性議員の割合は2024年12月末現在、都道府県議会で14.6%、市区町村議会で18.1%となっている。10年前と比べてそれぞれ5.7ポイント、6.1ポイント上昇したが、国際的に見ると依然として低い水準だ。「世界経済フォーラム」が発表した2025年のジェンダーギャップ指数では、日本は政治分野で148か国中125位に留まっている。
平神氏は「私たちの生活は朝から晩まで政治と関わっている。暮らしの多様な課題に対応するためにも、女性議員をさらに増やす努力を続けていきたい」と強調する。女性議員の増加は、単なる数の問題ではなく、社会全体の多様性と包摂性を高める重要な一歩である。
