若者のSNS依存が深刻化、10~20代の6%に「病的使用」の疑い
国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県)が実施した調査により、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用において、依存性が高い「病的使用」が疑われる人が、10歳から20歳代の若年層で6%に達することが明らかとなった。この割合は国内の人口に換算すると約140万人規模に相当し、他の年代の0~1%台と比較して際立って高い数値となっている。若年層におけるSNS依存の深刻な実態が浮き彫りとなった。
調査の背景と方法
この調査は厚生労働省の依存症対策事業の一環として実施され、昨年1月から2月にかけて無作為に抽出された9000人を対象に調査票を郵送。10歳から80歳までの男女4650人から有効回答を得た。SNS依存には正式な病名が存在しないため、研究チームは依存性を測定する海外の検査を参考に、「使用できない時に気分が悪くなった」「嫌な気持ちから逃れるために使用していた」など9つの項目から、病的使用の疑いを判断した。
年代別の詳細な結果
過去1年間のYouTubeやX(旧Twitter)などの利用状況について尋ねた結果、「病的使用の疑い」に該当した割合は、10歳代では男性7.1%、女性7.5%、20歳代では男性4.8%、女性5%に上った。これに対し、30歳代以上の各年代では0~1%台と低く、若年層に依存が集中していることが明確に示された。
家族関係への深刻な影響
病的使用が疑われる人々のうち、27%がSNSなどの使用を巡り「家族に暴言を吐いたり、暴力を振るったりした」と回答。一方で、「家族から暴言を吐かれたり、暴力を受けたりした」と答えた人も19%に達した。さらに、「30日以上学校を休んだ」は6%、「6か月以上続けて自宅に引きこもっていた」は5%であり、依存が日常生活や社会的活動に重大な支障を来している実態が明らかとなった。
インターネット依存の全体的な傾向
ゲームやメールなどインターネット全般の「病的使用の疑い」についても調査が行われ、10~20歳代では14.5%に上った。同センターが2018年度に同年代を対象に実施した前回調査では6.2%だったことから、近年の急激な増加傾向が顕著に表れている。
専門家の見解と今後の対策
同センターの関係者は「SNS依存の背景には、孤独感や対人関係への不安などが潜んでいる可能性が高い。インターネット利用の低年齢化が進展する中、学校や家庭、地域社会が緊密に連携し、適切な利用方法を指導していくことが不可欠である」と指摘している。若年層のデジタル環境における健全な発達を支援するための包括的な取り組みが急務となっている。



