DMATの司令塔機能を強化 北海道と九州に新事務局を設置へ
厚生労働省は、大規模災害時に医師や看護師らを迅速に派遣する災害派遣医療チーム「DMAT(ディーマット)」の事務局を、2026年度に北海道と九州に新設する方針を固めました。これにより、災害時の活動の司令塔となる事務局は、現在の東京都と大阪府の2か所から4か所に拡大されます。
全国8拠点体制の構想も浮上
同省は、2027年度以降には東北や四国などの各地方にも事務局を設置し、最終的には全国8拠点体制とする構想も持っています。この拡充により、大規模災害が発生した際に、隊員をより迅速かつ効率的に派遣できる環境を整備します。
DMATは、災害発生直後に被災地に入り、負傷者の治療や設備が整った病院への搬送、医療用物資の調達などを担当する専門チームです。医師、看護師、業務調整員などで構成され、原則として4人1組で活動します。2025年4月時点では、全国で1万8909人が登録されています。
事務局の役割と新設の背景
現在、事務局は国立健康危機管理研究機構の組織として、東京都と大阪府に設置されています。災害が発生すると、事務局のスタッフが被災地の都道府県庁などに赴き、全国から集まる隊員の派遣調整や活動支援を担っています。
新たに北海道と九州に事務局を置く背景には、以下のような理由があります。
- 地理的要因の克服:東京や大阪から離れた地域で災害が発生した場合、交通網の寸断によりスタッフの現地入りが遅れる懸念があった。
- 地域特性への対応:日本海溝・千島海溝地震が想定される北海道と、水害が頻発する九州に重点配置し、地域に即した迅速な対応を可能にする。
- 平時の訓練強化:孤立集落への対応など、地域の実情に合わせた訓練を実施しやすくする。
過去の熊本地震や能登半島地震では、大阪や東京からスタッフが派遣されましたが、遠方での災害発生時には迅速な対応が課題となっていました。新事務局の設置により、スタッフが自治体職員と連携して被害状況を速やかに確認し、支援を必要とする地域に隊員を送り込む体制を強化します。
予算措置と今後の展望
厚生労働省は、新事務局の設置に伴う人件費や経費を2026年度予算案に盛り込んでいます。この取り組みは、災害医療の迅速化と地域格差の解消を目指す重要な一歩となるでしょう。全国8拠点体制が実現すれば、いかなる地域で災害が発生しても、DMATの効果的な活動が期待できます。



