長崎県・奈留島の医療センター、入院機能を休床へ 看護師不足などで福江島に集約
長崎県の離島・奈留島にある「奈留医療センター」が、入院病床を休床し、その機能を福江島の県五島中央病院に集約する方針を明らかにしました。背景には患者数の減少や深刻な看護師不足があり、2026年4月の実施を予定しています。この決定は、離島地域における医療提供体制の維持が困難な状況を浮き彫りにしています。
赤字経営と看護師確保の難しさが背景
奈留医療センターは、2014年から県五島中央病院の付属診療所として運営されてきましたが、赤字が続き、補填してきた同病院も経営悪化に直面しています。近年の入院病床使用率は約2割にとどまり、看護師は市外からの派遣に依存しており、高齢化などにより確保が困難になっている状況です。長崎県病院企業団によれば、こうした課題が積み重なり、入院機能の集約を決断せざるを得なかったと説明しています。
休床後の対応策と地域医療の維持へ
休床後は、訪問診療回数を拡充するなどして、外来・在宅・健診事業を充実させる計画です。初期救急の受け入れは継続するため、センター内に経過観察用ベッド4床を設置し、搬送までの待機や1泊程度の治療に対応します。入院が必要な患者は、県五島中央病院などに搬送されることになります。また、奈留島では昨年、救急搬送に使われていた島内唯一の海上タクシーが廃業しており、市が搬送体制の検討を進めていることも、休床時期の決定に影響を与える要素となっています。
住民説明会を実施し理解を求める
長崎県病院企業団は、今後奈留島で住民説明会を実施する予定です。八橋弘企業長は、3月30日の企業団議会定例会で、「将来にわたって五島市全体の医療提供体制を維持していくため、地元住民の理解をいただけるよう丁寧に説明していきたい」と述べ、地域全体の医療を守るための措置であることを強調しました。この動きは、離島医療の持続可能性について、改めて議論を呼び起こすことになりそうです。



