福島県が楢葉町の復興診療所を廃止、町への無償譲渡を決定
福島県は23日、楢葉町に設置されているふたば復興診療所を廃止し、その施設を町に対して無償で譲渡する方針を正式に決めました。この決定は、町が地域に密着した医療体制の再構築を求めてきた要望に応える形で行われ、復興のさらなる進展を目指すものです。
診療所の背景と現状
ふたば復興診療所は、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う避難住民の帰還を支援するため、2016年に開院しました。内科と精神科を常設しており、週に1日は整形外科の診療も実施しています。昨年度の患者数は延べ約5700人に上り、地域医療の中核として重要な役割を果たしてきました。
廃止と譲渡の理由
県は譲渡の理由について、楢葉町では地域に根差した一次医療の確保が緊急の課題となっていることを指摘。「町の考えを尊重し、復興をさらに前進させる必要があると判断した」と説明しています。また、休止中の県立大野病院(大熊町)の後継医療機関が2029年度以降に開院することに合わせ、医療機関の統合や廃止を検討していたことも背景にあります。
町の要望と今後の対応
楢葉町は、地域の医療需要に迅速に対応し、医療の空白を生じさせないためとして、今年2月に診療所の譲渡を県に要望していました。町保健福祉課は「町の実情に応じた医療体制の再構築を早期に進めるために要望した。早く判断いただいてありがたい」とコメントしています。今後、町は公設民営方式で診療所を運営する民間医療法人を選定する予定です。
廃止時期と関連施設の検討
診療所の廃止と譲渡の具体的な時期については、今後、県と町が協議を重ねて決定します。なお、診療所の敷地は現在、町が県に無償で貸与している状態です。また、県は富岡町にある県ふたば医療センター付属病院についても、統合や廃止の可能性を検討しており、「今後、町と協議する」としています。
この動きは、原発事故からの復興過程における医療インフラの再編成の一環として注目されており、地域住民の健康と福祉の向上に向けた取り組みが続けられています。



