自由診療の幹細胞治療で患者が死亡 厚労省が緊急停止命令を発令
厚生労働省は3月13日、自由診療として実施された慢性疼痛の治療において、深刻な医療事故が発生したことを明らかにしました。外国籍の患者が本人の脂肪由来の幹細胞を投与される治療中に容体が急変し、残念ながら死亡に至ったのです。
治療中に急変し心肺停止 搬送先で死亡確認
厚生労働省によりますと、この事故は「ネオポリス診療所銀座クリニック」(東京都中央区)で発生しました。同クリニックから報告があった内容では、幹細胞の投与が行われている最中に患者の容態が急変。救急車内で心肺停止状態となり、搬送先の医療機関で死亡が確認されたとのことです。
厚労省は直ちに緊急対応に乗り出し、同クリニックに対してこの特定の治療提供を一時停止させる緊急命令を発出しました。医療安全を最優先とする迅速な行政対応が図られています。
関連する細胞製造施設にも停止命令
今回の治療に使用された細胞を加工・製造していた施設に対しても、厳しい措置が講じられています。細胞を加工していた「JASC京都幹細胞培養センター」(京都市)と、韓国・ソウルに所在する「RBio幹細胞培養センター」の両施設に対して、関連する細胞の製造を一時停止させる命令が下されました。
この措置は、事故の原因究明と再発防止を目的としており、国内のみならず海外の関連施設にも及ぶ広範な対応となっています。国際的な連携のもとで医療安全の確保が図られることになりました。
自由診療における安全性の課題が浮き彫りに
今回の痛ましい事故は、自由診療として提供される先端的な医療技術において、十分な安全性の確保が課題となっている現実を改めて示すものとなりました。幹細胞を用いた治療は、様々な疾患に対する新たな可能性を秘めている一方で、そのリスク管理の重要性が極めて高い領域でもあります。
厚生労働省は今後、事故の詳細な原因調査を進めるとともに、自由診療全体の安全性向上に向けた取り組みを強化していく方針です。患者の命を守る医療体制の整備が、改めて問われる事態となりました。



