広島平和記念資料館に子ども向け展示コーナーが新設へ
広島市は2028年度、広島平和記念資料館東館の地下1階を改修し、子ども向けの展示コーナーを新設する計画を進めています。この展示の目玉として、13歳で被爆死した少女・森脇瑤子(ようこ)さんと、その出来事を語り継いだ兄・細川浩史(こうじ)さんの生涯に焦点を当てることが決定しました。2026年3月6日に開かれた新展示の検討委員会で市側が提案し、了承されました。
被爆死した少女と証言を続けた兄の物語
森脇瑤子さんは、広島県立広島第一高等女学校(現・県立広島皆実高等学校)に入学した夏、爆心地から約0.8キロの地点で建物疎開作業中に被爆し、その夜に亡くなりました。当時13歳でした。兄の細川浩史さんは自身も被爆しましたが命をつなぎ、妹が残した日記を基に、被爆証言活動を生涯にわたって続けました。細川さんは2023年に95歳で死去しています。
展示では、瑤子さんが被爆する前日までつづっていた日記も公開される予定です。これにより、子どもたちが当時の状況をより身近に感じ、「自分事」として平和について考えるきっかけを提供することが期待されています。
子ども向け展示の目的と意義
子ども向けの展示コーナーは、複雑な歴史的事実を若い世代にも理解しやすい形で伝えることを目的としています。従来の展示に比べて、視覚的でインタラクティブな要素を増やし、子どもたちの関心を引きつける工夫が凝らされます。
広島市の関係者は、「瑤子さんと浩史さんの物語を通じて、戦争の悲惨さと平和の尊さを次世代に継承したい」と語っています。この展示は、単なる歴史的事実の羅列ではなく、個人の人生に光を当てることで、感情に訴えかける学習体験を目指しています。
今後の展望と関連する動き
広島平和記念資料館では近年、デジタル技術を活用した展示の導入も検討されており、今回の子ども向けコーナーもその一環として位置づけられています。また、被爆地以外の地域への平和教育の拡大を目指す動きとも連携し、全国的な平和学習の促進に貢献することが期待されています。
この計画は、被爆者や遺族の証言を後世に伝える重要な取り組みとして、教育関係者や平和活動家から高い関心を集めています。展示の詳細な内容やオープン日程については、今後さらに検討が進められる予定です。
