中部発のニュースとして、移植医療の新たな支援組織が注目を集めている。国が進める移植医療体制改革の一環として、藤田医科大(愛知県豊明市)などが一般社団法人「中部日本臓器提供支援協会」(CODA)を設立した。この協会は、日本臓器移植ネットワーク(JOT)の業務を東海、北陸の7県で担う組織であり、国の許可を得て今夏から活動を開始する。その中で、チーフ臓器移植コーディネーターを務めるのが纐纈一枝さん(54)である。
CODAの役割と期待
CODAは、臓器提供を希望する患者が確認された際、家族への説明や同意取得、医師の調整、搬送手段の確保などを行う。また、移植医療の啓発活動も担う。JOT以外では初のあっせん機関として、移植医療推進への期待は大きい。纐纈さんは「円滑に稼働するか、国からも他の地域からも注目されている」と責任の重さを語る。
纐纈一枝さんの経歴
岐阜県川辺町出身の纐纈さんは、70歳代の母親が看護師であることから、自身も看護の道を志した。同県高山市の高校で看護を学び、藤田学園で大学病院で働きながら学んだ。その後、救命救急センターで長く勤務し、コーディネーターとなった。患者や家族に最も身近に接する看護師としての経験を生かし、「今も寄り添うことについて考え続けている。若いナースにも考えてもらいたい」と述べる。
夫の死が使命に
纐纈さん夫妻は互いに臓器提供を表明していたが、7年前、夫が大動脈破裂で急死。以来、「コーディネーターは使命」と考えるようになった。体力づくりとして富士山登山やトランポリン教室にも通っている。
活動の概要
CODAは藤田医科大病院に常設の事務局を置き、5人のコーディネーターが各県コーディネーターの協力を得て活動する。年間約30件の臓器提供を目指す。家族が混乱し悲しみにくれる中で説明するため、「提供に同意するかはわからない。当然のこと」と纐纈さんは話す。心停止後は時間制限があるが、「提供を勧めるのではなく、患者と家族の尊い意思を尊重し、話を聴く。移植を待つ方につなげたい」と強調する。



