厚生労働省の専門部会は21日、岡山大学発のベンチャー企業「オンコリスバイオファーマ」が開発したウイルス製剤「テロメライシン」について、製造販売を承認して差し支えないとの意見をまとめた。対象となるのは、抗がん剤と放射線を組み合わせた治療や根治手術が適用できない食道がん患者である。同社によれば、食道がんに対するウイルス療法としては世界で初めての実用化となる見通しであり、正式に承認されれば年内の発売を目指すとしている。
テロメライシンの仕組み
この製剤は、風邪の原因の一つとして知られるアデノウイルスの遺伝子を改変して作られている。具体的には、テロメラーゼという酵素が活発に働いているがん細胞内でのみ増殖し、細胞を破壊するように設計されている。正常な細胞にも感染するが、そこで増殖することはないため、正常細胞へのダメージは限定的である。
投与方法
投与の際には、内視鏡を口から挿入し、がん組織に直接注射する方法が採用される。この方法により、局所的にウイルスを届けることが可能となる。
今後の見通し
厚労省の了承を受け、正式な承認手続きが進められる。承認されれば、食道がん治療の新たな選択肢として期待される。オンコリスバイオファーマは、年内の製品発売を目標に準備を進める方針だ。



