ストレスで腹痛が起こる神経回路を解明、岐阜大研究グループが成功
ストレスで腹痛の神経回路解明、岐阜大グループ

岐阜大学大学院共同獣医学研究科の志水泰武教授(61)らの研究グループが、試験や会議の前など、重要な場面で突然おなかが痛くなる現象の仕組みを解明した。ストレスを受けた脳の信号が大腸に伝わり、排便を引き起こす神経回路を特定したという。

研究の背景と目的

ストレスによって下痢や便意が生じることは従来から知られていたが、脳から腸に至る具体的な経路は十分に解明されていなかった。今回の研究では、ラットを用いて心理的ストレスを与え、脳と腸の関連性を詳細に調査した。

実験方法と結果

研究グループは、水に囲まれた狭い足場にラットを置き、心理的ストレスを負荷した。その結果、排便量が有意に増加した。さらに、脳内の特定の経路を薬剤などで遮断すると、排便量が減少したことから、この反応がストレスによるものであることが確認された。

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具体的には、ストレスを感じる脳の中枢である「視床下部」から「延髄縫線核」、脊髄を経て「骨盤神経」に至る神経回路が活性化し、大腸の運動が亢進することが明らかになった。

脳腸相関と過敏性腸症候群

脳と腸の関係は「脳腸相関」と呼ばれ、過敏性腸症候群(IBS)などの疾患と深く関連している。IBSは慢性的な腹痛や便通異常を特徴とし、ストレスによって症状が悪化することが知られている。

志水教授は「腸は『第二の脳』とも呼ばれ、自律的に働く器官ですが、脳からの指令でその動きが大きく変化することが分かりました。今回の成果は、IBSなどの病態理解や新たな治療法の開発につながることが期待されます」と述べている。

今後の展望

研究に携わった大学院生の湯木夏扶さん(27)は「身近な友人がIBSで苦しんでおり、仕組みの解明が治療につながればと思います」と話す。

志水教授は「ストレスによる排便の仕組みを神経回路として示せたことで、今後はその制御や治療法の開発が可能になるでしょう」と強調している。

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