通販の定期購入トラブル急増 「さらにお得」に注意を
通販定期購入トラブル急増 「さらにお得」に注意

通販の「定期購入」トラブル、注意点は? 「さらにお得」にご用心

1回限りの購入のはずが、定期購入の契約になっていた。解約しようとすると、キャンセル料を請求された――。通信販売を利用して化粧品などを購入した際、意図せず定期購入になっていたというトラブルが増えている。どんな点に注意すればいいのか。

増加する定期購入トラブル

関東地方に住む50代の女性が、スマートフォンでSNSを見ていたら、ファンデーションの広告が表示された。販売サイトにアクセスしたところ、通常約1万円の商品が「初回お試し価格」で約2千円になっていたので申し込んだ。その後、商品が1本届き、代金は後払いで支払った。これで取引が終了したと思っていたところ、後日、同じ商品が2本届いた。販売会社に電話したところ、定期購入になっていると言われた。そんなつもりはなく、返品したいと伝えたところ、初回のみで解約する場合、割引が適用されず、通常価格との差額約8千円を支払うように求められた。

国民生活センターによると、2026年4月に相談が寄せられたこの事例は「ネット通販で意図せず定期購入になっていた」という典型的な内容だという。

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同センターによると、通信販売(テレビショッピングなども含む)での「定期購入」に関する相談件数は増加傾向にあり、21年度は約5万8500件だったが、25年度は約9万2400件に達している。商品別では、化粧品、健康食品、飲料に関する相談が多く、25年度はこれら3商品に関する件数が全体の約87%を占めた。

特定商取引法の改正とダークパターン対策

消費者庁は定期購入に関するトラブルが続発していることなどを受け、21年に特定商取引法を改正。通販利用者が申し込みを完了させる画面で、契約事項を最終確認できるようにすることを事業者に義務づけた。返品や解約の条件、連絡先などを表示することや、定期購入契約の場合、2回目以降の代金や各回の請求時期についても表示する決まりにした。

この改正法が施行された22年6月から26年3月までに、消費者庁が、最終確認画面について特商法違反があったと認定し、会社や個人事業主に業務停止命令を出した件数は15件にのぼる。一例では、26年3月にサプリメントの通販業者に対して業務の一部を3カ月停止するよう命じた。この業者は、ネットの広告サイトに、ダイエット効果などをうたうサプリの宣伝を掲載。少なくとも25年7~10月、「定期縛りなし 1回で解約OK」などと表示し、初回の商品を500円で購入後、追加の負担なく契約を解除できるかのような表示をしていた。しかし、実際には2回目の商品を受け取らずに契約を解除する場合、違約金として約9500円の支払いを求めていた。この業者に関しては、21年4月以降、26年2月までに「解約手数料を要求された」といった相談が、各地の消費生活センターなどに7400件以上寄せられていた。

消費者庁は26年1月、有識者らでつくる「デジタル取引・特定商取引法等検討会」を設置。インターネット上の商取引で、情報の一部を不明瞭にするといった手法を使い、消費者を不利な選択に導く「ダークパターン」に関する対策などを考えている。定期購入に関するトラブルも取り上げられており、どんな策を講じることができるのか、議論を重ねている。

通販で買い物をする際に気をつけたいこと

国民生活センターや消費者庁は、通販で買い物をする場合、次の点に注意するよう呼びかけている。

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  • 「さらにお得」「今だけ使えるクーポン」に要注意 こうした表示のボタンを押すと、別画面に切り替わり、定期購入や購入回数に縛りがあるコースに誘導されてしまうケースがある。
  • 契約内容を最後までしっかり確認 購入申し込みのボタンを押す前に、最終確認画面に表示されている契約内容をしっかり読む。最後までスクロールして読むと、後段に定期購入契約であることを示す記載があることも。
  • 契約条件に関する記載はスクリーンショットで保存を 定期購入などに関して消費者を誤認させるような表示をしていた場合、申し込みを取り消せる場合がある。最終確認画面や広告に表示されている文面など、契約条件に関する記載は全てスクリーンショットで保存しておく。また、注文する際に業者とやりとりしたメールなどがあれば保存しておく。スクリーンショットの方法が分からない場合は、携帯電話ショップや通信事業者に問い合わせる。

不安に思った場合や、トラブルが生じた場合の相談は、消費者ホットライン(電話番号188)へ。