埼玉県立小児医療センターで医療事故調査委員会が初会合を開催
埼玉県立小児医療センター(さいたま市中央区)において、白血病患者5人が抗がん剤の髄腔内注射後に神経症状を発症し、うち1人が死亡、2人が重体となった深刻な医療事故が発生した。この問題を受け、同センターが設置した医療事故調査委員会が22日、さいたま市内で初めての会議を開催した。委員会は医療法に基づき、事故の原因究明と再発防止策の検討を本格的に開始した。
13人体制の委員会が非公開で調査を開始
医療事故調査委員会は合計13人の委員で構成されている。メンバーは院内の医師、看護師、事務職員ら7人と、外部から招いた医師や薬剤師など6人であり、委員長は医療安全の専門知識を持つ外部医師が務めることとなった。会議は非公開で行われ、今後の開催回数や頻度については未定とされている。
調査対象は、髄腔内注射には使用しない抗がん剤「ビンクリスチン」が検出された死亡例と重体例の3症例に絞られる。委員会は混入の経緯を徹底的に究明し、仮に完全な原因特定が困難な場合でも、再発を防ぐための具体的な提言を取りまとめる方針を示している。
岡明病院長が記者会見で謝罪と現状を説明
初会合の終了後、委員ではない岡明病院長が県庁で記者会見を開き、会議の傍聴結果を説明した。岡氏によれば、これまでの調査内容や海外で報告されているビンクリスチンの誤注入事例が議論され、今後の調査方針と課題が話し合われたという。
岡院長は、センターでの髄腔内注射と入院患者の受け入れが停止している現状について、「県内の小児がん、特に白血病治療の状況に関して、本当に申し訳ないという気持ちでいっぱいです」と述べ、声を詰まらせながら謝罪の意を表明した。また、特例として髄腔内注射を実施すると決定した10代の患者に対しては、21日に注射を行ったことを明かした。
今後の調査と医療安全への影響
この医療事故は、小児医療の現場における薬剤管理と安全対策の重要性を改めて浮き彫りにした。委員会の調査結果は、同センターのみならず、全国の医療機関における類似事故の防止に役立つことが期待されている。患者家族や地域社会からの信頼回復に向けて、透明性の高い調査と迅速な再発防止策の実施が求められる。
埼玉県立小児医療センターは、白血病をはじめとする小児がん治療の拠点として重要な役割を担っており、事故の早期解決が県内の医療体制全体に与える影響は大きい。委員会の今後の活動に注目が集まっている。



