救急車出動件数が5年ぶりの減少傾向に 軽症搬送の抑制効果が顕著
総務省消防庁は3月31日、2025年の全国における救急車出動件数の速報値を公表しました。それによると、前年比0.4%減少の768万6235件となり、搬送人員も0.1%減の676万1871人となりました。いずれの数値も2020年以来、5年ぶりのマイナスを記録しています。
軽症搬送の減少が全体の減少を牽引
消防庁は今回の減少について、「軽症者の搬送が減り、適時適切な利用が広がっているとみられる」と分析しています。具体的な内訳を見ると、搬送人員を傷病程度別に分類した場合、入院に至らない軽症者が2.2%減少し、310万231人となりました。これは全体の45.8%を占める割合です。
年齢別のデータでは、65歳以上の高齢者が426万5047人で、全体の63.1%を占めています。高齢化社会の進行に伴い、高齢者の救急搬送が依然として大きな割合を占めている状況が浮き彫りになりました。
出動件数の内訳と今後の課題
出動件数の内訳を詳細に分析すると、以下のような特徴が明らかになりました。
- 急病が66.9%を占め、514万4563件に上ります。
- 転倒などの一般負傷が16.1%で続いています。
- 転院搬送が7.6%を占めています。
今回の減少は、救急医療資源の適正利用に向けた取り組みが一定の効果を上げていることを示唆しています。しかし、高齢者の搬送割合が高いことから、今後の高齢化の進展に伴う救急需要の変化には継続的な注視が必要です。消防庁は、引き続き適切な救急搬送の啓発活動を推進し、医療現場の負担軽減に努めていく方針です。



