医療的ケア児が過去最多の349人に、地域での生活環境整備が課題
日常的に人工呼吸器による呼吸管理などを必要とする県内の医療的ケア児が、昨年4月現在で349人に達したことが明らかになった。この数字は調査開始以来過去最多であり、子どもとその家族が地域で安心して暮らせる環境づくりが強く求められている。
全国的に増加傾向、支援法施行で態勢整備進む
医療的ケア児は、新生児集中治療室などに入院した後も、生活において継続的な医療行為が不可欠な子どもたちを指す。全国的にその数は増加傾向にあり、本人だけでなく家族の負担も大きいことから、国は2021年に支援法を施行した。これにより、都道府県や市町村と連携し、社会全体で日常生活を支える体制の構築が進められている。
専門コーディネーターの配置が進まず、人材育成が重要
支援策の一つとして、市町村や民間事業者に専門的なコーディネーターを配置する取り組みがある。しかし、県内では36市町村に計69人にとどまっており、十分な広がりを見せていない。コーディネーターは医療、福祉、教育など多岐にわたるサービスをつなぐ要の役割を果たすため、県は研修を通じた人材育成を強化し、全県的な支援枠組みの確立が重要だ。
災害時の安全確保が深刻な課題、避難計画の策定が遅れる
近年、特に課題となっているのは災害時の安全確保である。酸素ボンベを使用するなど歩行が困難な子どもにとって、家族だけでの移動は容易ではない。また、自宅が直接的な損傷を受けなくても、停電により人工呼吸器の電源が失われると、生命の危険にさらされる可能性がある。
災害対策基本法では、市町村に対して医療的ケア児の個別避難計画策定を促しているが、ノウハウ不足から進捗が遅れており、県内で完了したのは約1割に過ぎない。このため、県は会津若松など5市でモデル事業を実施し、その成果を基にガイドブックを作成した。
ガイドブックを活用した連携とレスパイトケアの導入が急務
住宅の立地条件やかかりつけ医の距離などにより、自宅待機か外部避難かの選択基準は異なる。市町村の防災・福祉担当者や医療機器事業者は、ガイドブックを参考に連携を深め、停電対策や避難所確保を含む計画づくりを推進すべきだ。
さらに、介助家族の休息を確保するため、訪問サービスや一時預かりなどのレスパイトケアの導入が急がれる。市町村は、訪問看護事業者や医療機関と協力し、家庭や学校以外の受け皿整備に取り組む必要がある。



