義肢装具士の養成校が全国各地で閉鎖に追い込まれている。学生の確保が難しく、大学や専門学校の入学定員は過去10年間で約3割も減少した。この現状に危機感を募らせた関係団体は、今年から5月27日を「義肢装具の日」と定め、職業の認知度向上に乗り出した。
義肢装具士とは
義肢装具士は、義手や義足などの製作・調整を専門とする国家資格だ。養成課程のある学校で3年以上学び、知識や技能を習得した後、国家試験に合格することで資格を取得できる。
養成校の現状
2013年4月時点では全国に10校あり、入学定員は合計313人だった。しかし、その後北海道などで閉鎖が相次ぎ、2024年度には8校、定員223人にまで減少。2025年度の全国の入学者総数は177人にとどまり、定員を大きく下回っている。
待遇の低さが背景
こうした事態の背景には、義肢装具士の待遇の低さがある。新潟医療福祉大学大学院で研究を進める専門家は、給与面の厳しさを指摘する。学生からは「憧れた仕事だが、経済的に続けられない」との声が上がっている。
関係団体の取り組み
業界団体は、5月27日を「義肢装具の日」と定め、SNSやイベントを通じて職業の魅力を発信。給与水準の改善や、養成校の存続に向けた支援策を政府に働きかけている。
義肢装具士は、障害者の生活の質を向上させる重要な役割を担う。関係者は「このままでは将来、義肢装具を必要とする人々に十分なサービスを提供できなくなる」と警鐘を鳴らす。



